肝硬変や肝炎発症のリスクあり!成人の3分の1が「脂肪肝」持ちの日本人
画像を見る 肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれ、自覚症状が出たときにはすでに手遅れというケースが多い……

 

■3カ月でマイナス6キロも! まずは甘い飲み物をやめる

 

たとえば身長168センチ、体重66キロのNASHの女性患者は、尾形先生の指導を受け、体重の7%強にあたる5キロの減量にチャレンジ。3カ月で6キロの減量に成功し、脂肪肝もかなり改善したそうだ。

 

「病院では、つぎの『肝臓脂肪を落とすための5カ条』を掲げています」

 

【肝臓脂肪を落とすための5カ条】

〈1〉甘い飲み物をやめる
〈2〉野菜を増やす
〈3〉糖質を減らす
〈4〉加工食品を減らす
〈5〉体重を1日1回量って記録

 

「これを守って生活すれば、8割以上の方が、3カ月でマイナス5キロを達成しています」

 

かなりの成功率だが、何から始めればいいのだろう。

 

「脂肪肝は食べすぎが原因ですから、まずは甘い飲み物、そして糖質を減らすことから始めます」

 

主食はごはんなら半膳に、うどんなら半玉、パスタなど乾麺は35グラムに抑え、野菜をたくさん食べる。食品添加物を多く含む加工食品は、肝臓を休めるために避け、体重を毎日量って記録する。

 

「NASHまで進行していない方なら、甘い飲み物をやめるだけでも効果があると思います」

 

飲んでよいのは水、お茶、ブラックコーヒーのみ。それ以外の野菜ジュースやスポーツドリンク、乳酸菌飲料もやめよう。

 

「栄養ドリンクやヨーグルト飲料などを“健康のために”飲む方が多いのですが、栄養を手軽な飲料で取る習慣を見直してください。肝臓にもっともダメージを与えるのは果糖です。飲料には、その果糖が大量に含まれています」

 

甘い飲み物をやめるだけでいいなら、ハードルは高くない。

 

「それと、筋トレが効果的です」

 

おすすめは机などにつかまってゆっくり行うスクワット。1日10回からでOK。ひざが痛い人は、前腕とひじ、つま先を床につけ、肩・背中・腰を一直線にする腕立て伏せのような形を30秒~1分キープするプランクがよい。

 

「筋トレは朝食前が◎。脂肪燃焼のスイッチが入り、一日中脂肪が燃えやすい体になります」

 

肝臓はストレスからもダメージを受ける。根を詰めず、少しやせたら自分をほめることも大切だ。

 

肝臓が悲鳴をあげてからでは遅すぎる。人生後半に肝硬変で苦しまないよう、甘い飲み物などさっさとやめて健康な肝臓を守ろう。

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