■横隔膜をほぐして血流も肺活量もUP
その「みぞおちもみ」は3つのステップがあり、所要時間はトータルで1分。さっそくトライしてみよう。
【ステップ1】おなか太鼓で神経と筋肉をリラックスさせる
(1)へそから上に指で数えて8歩目あたりの位置を確認する。
(2)手を「おわん」の形にして(1)のポイントに当て、息を吸えるだけ吸う。
(3)息を「フォ、フォ、フォ」と小刻みに吐きながら、フォの音のときにおなかをポンポンと20回たたく。
「硬くなっている横隔膜と腹筋全体がゆるんできます。ポイントはおなかをたたくときに腹筋に力を入れないこと。リラックスして行いましょう」
横隔膜をやわらかくして、神経の疲れを取ると、内臓全体が活性化してくる。
【ステップ2】リセットツボ刺激で神経疲労をほどく
(1)へそから指6歩目を確認して、両手の中指を重ねて当てる。人さし指と薬指は支えとして中指の両側につける。そのツボの位置で、硬さや抵抗感を感じ始める深さまで両手の中指を押し込む。
(2)(1)の深さを保ったまま、両手を上下に10回揺らしながら、「フォ、フォ、フォ」と息を吐く。
(3)指1本分上、7歩目の位置でも、ツボを10回縦に揺らしながら息を10回吐く。
「ツボへの力加減が重要で、あまり強く押しすぎないこと。上下に手を10回揺らすだけでも十分効果があります。縦の動きは筋膜同士の癒着をはがすことができるので、手を奥に押し込まないで縦にこするように行いましょう」
【ステップ3】のチョップ・インで横隔膜に手を当てて温める
(1)座った状態で、おなかの両側の肋骨の下の部分に「チョップ」するように、両手の小指側を密着させて、息を吸えるだけ吸う。
(2)息を細く吐きながら、上体をゆっくり倒していく。苦しすぎない程度の深さまで手が入ったら上体を止めて、そのまま息を吐き切るまで待つ。
(3)息を吸いながら上体を起こす。ポイントは息を出し切ること。
「体にとって負担となるガスの残りを宿息と呼び、呼吸の効率を下げて、新鮮な空気を濁らせてしまいます。肺の中の空気をリセットすることで、呼吸力がつくだけでなく呼吸効率が高まってきます。毎日『みぞおちもみ』を続けることで体幹が強くなり、体温が安定して免疫力がアップしてきます。みぞおちが張っている状態からゆるんで下腹がしっかりする『腹がすわった状態』になるので、気力が充実してきて、やる気も出てきますよ」
“隠れ酸欠”の原因は姿勢にもある。猫背を解消すると、横隔膜がさらにやわらかくなり、動きもよくなって、深い呼吸ができるようになるという。
スキマ時間にトライして、心と体の健康をキープしよう!