週に1回8000歩「20分の早歩き」が死亡リスクを軽減する!
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■健康寿命を延ばす週末ウオーキングのすすめ

 

平日はなかなか歩く機会を作ることができなかった人、あるいは毎日のウオーキングが苦になっていた人にとっては、朗報に違いない。さらに、週末ウオーキングだけで寿命が延ばせるのなら、自分も始めたいと思う人が、これから増えてくることも予想される。

 

せっかく健康のためにウオーキングを始めるのであれば、より効果が高まる“週末8000歩”にしたいところだ。

 

「最初から頑張りすぎる必要はありません。ウオーキングはむしろハードルを下げて、心のプレッシャーを減らすことが大事です。いきなりノルマを決めて無理に歩くと、膝痛や腰痛を引き起こすこともあります。少しずつ歩数を増やし、1日8000歩を目指す。ウオーキングは、楽しみながら続けていくことがポイントです」

 

こう語る、健康運動指導士で、一般社団法人ケア・ウォーキング普及会代表理事の黒田恵美子さん。

 

ウオーキングで体にダメージを与えては、本末転倒になってしまう。そこで黒田さんに、ウオーキングで失敗しないための、正しい基礎知識をアドバイスしてもらった。

 

まずは、ウオーキングを始める前に用意すべきアイテムから。

 

【靴】

土踏まずのアーチをしっかり支え、かかとに衝撃吸収材が入っている、自分の足のサイズに合った“ウオーキングシューズ”を履く。

 

「バスケ、テニスシューズなどではなく、“ウオーキングシューズ”を履きましょう。ポイントは、必ず自分の足のサイズに合うものを選ぶこと。そして甲がきちんと靴にフィットしているかどうかをチェック。さらに靴底が指の付け根で曲がるものを選ぶことで、ウオーキングの効果が得られます」(黒田さん・以下同)

 

【ウエア】

通気性、吸湿性、速乾性があるもの。伸縮性があり、汗が体に張り付かず、紫外線カットの機能があるものを着用する。

 

「とくにこれからの時期は、通気性があって、吸湿性、速乾性があるものがいいです。ある程度紫外線に対応できる、UVカットの素材を選んで着用してください」

 

次に正しい歩き方はーー。

 

【姿勢】

目線は自由でOK(景色を楽しみながら歩く)。顔は正面(背筋をまっすぐにすることを意識しすぎなくてもよい)。

 

「顔を上げて正面を向く。前屈み、猫背姿勢でウオーキングすると、腰痛の原因にも。顔を上げることを意識すれば背筋が自然に伸びます。目線は自由でいいです」

 

【腕の振り】

腕を大きく振る(腕は前後45度ぐらいまで振る。後ろに引くほうをより意識)。

「肘を伸ばして大きく振る。やや後ろを意識しながら、前後45度ぐらいまで腕を振るのが理想です。手を後ろに振ることで推進力を得られるので、早歩きも簡単にできます」

 

【歩幅】

出した足は膝を伸ばして、かかとから着地。蹴り出す足の指で地面を押し出すように。歩幅をある程度大きくして歩くことを意識(ふだんの歩幅より5センチ程度広げるのが目安)。

 

「歩幅はある程度大きくして歩くと効果的。ふだん歩く歩幅の5センチ程度広げるのが目安です。無理に大きく広げる必要はありません」

 

早歩きのコツとして、口で“スッスッスッ~”と言いながらウオーキング。

 

■早歩きを計20分で認知症リスク軽減も

 

【緩急】

ややきついと感じるぐらい少し早歩きを取り入れる(8000歩すべて早歩きするのではなく、ウオーキング中に1~2分ずつ早歩きタイムを入れる。これを何度か繰り返しながらトータルで20分ぐらいの早歩き時間を入れるといい)。

 

「早歩きは、不眠の解消、認知症のリスク軽減などの効果があるといわれています。ウオーキング中に1~2分、早歩きタイムを取り入れましょう。これを何度か繰り返し、トータルで20分になるまで続けてください」

 

このほかにも、ウオーキング前には、股関節や肩甲骨、膝、ふくらはぎ、そして足首などを、ストレッチで十分にほぐす。そしてウオーキングをする際には、必ず水分補給をする--。この2点も覚えておくべき基礎知識だ。

 

「ウオーキングは有酸素運動で、血圧や血糖値を下げたり、脂肪の代謝を改善するなど、生活習慣病の予防や改善の効果があります。これから週末ウオーキングが増えていけば、寿命とともに健康寿命も延びていくでしょう」

 

とりあえず、まずは週末1日ぐらいから始めてみますか!

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