■親の介護を体験し自分の将来に備える人が増えている
親の介護を体験して、自ら将来に備えて認知症保険に加入しようとする人が増えているという。
では、どんな商品を選べばいいのだろう。
認知症保険では、支払われる給付金が100万~300万円といった商品が多い。
とはいえ、認知症保険は解約払戻金のないタイプがほとんどで掛け捨てが基本。生きている間に認知症にならなかったら払い損。
お金を受け取ることができない。
そこで人気の認知症保険の商品の特徴とともに、60歳のときに「一時金100万円」タイプに加入した際に、80歳までの総払込保険料がいくらになるかを調べてみた。
一時金に対して割高になっている商品もあるが、予防給付金や骨折治療給付金などの付帯サービスがあることも考慮してほしいポイントだ。
「認知症保険を損か得かで決めるよりも“安心を保険料で買っている”という発想のほうがいいでしょう。
親や自分が認知症になったときに、どれだけ周囲の人が、経済的にも身体的にも振り回されないかということが肝心。
親や自分が認知症になったらといったモヤモヤした不安を軽減する手立てにはなりえます」(加藤さん、以下同)
また認知症保険は「指定代理請求人」を立てないと契約できないものもある。
契約者本人が認知症になって保険の請求手続きができなくなるケースを防ぐためだ。
「認知症と診断されると預金や運用資産は凍結される恐れがありますが、認知症保険ならば、認知症と診断された後でも家族が指定代理請求人として保険金を受け取る手続きができ、介護費用にも充てることができます。
認知症保険の多くは本人の意思だけでは契約できず、指定請求代理人を立てるために家族の同意相談が必要になってきます。
介護や老後のお金のことを家族で話し合うことはタブー視され、先送りにされることが多いなか、認知症に対する心構えや老後の経済的負担について家族で話し合うきっかけにもなるのです」
ちなみに、認知症の前兆症状が出はじめた人が駆け込みで加入するのを防ぐため、契約が有効になるまでの不担保(免責)期間があることも忘れてはならない。