医師がシニアの食事に「マックと吉野家」を勧める“意外な理由”
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■体重と筋肉を守る「ジャンクフード」

 

そこで、シニアにこそおすすめしたいのが、意外にも、“ジャンクフード”なのだという。

 

「特に、ハンバーガー、牛丼チェーンはシニアに理想的だといえます。体重を守るためのカロリーと、筋肉を守るためのタンパク質量、両方を効率よく取れるメニューがそろっているからです」

 

佐々木先生によれば、高齢者の1日あたりの必要摂取カロリーの目安は、運動強度や体の大きさにより、2,000~2,500kcal程度。タンパク質は、通常は体重1kgあたり約1gの計算(体重52kgの場合52g)だが、筋肉量が減少する高齢者は1.5倍程度摂取すると安心だという。

 

今回、佐々木先生への取材を参考に、編集部が提案するおすすめメニューをまとめた。あくまで一例だが、1食置き換えるだけで、カロリーだけでなく、1日に必要なタンパク質の半分以上を補うことができるメニューなので、参考にしてほしい。

 

最近の研究では、運動量が少なくても、タンパク質さえ取れていれば、筋肉はあまり減らないこともわかってきている。

 

ただし、カロリーとタンパク質、両方を増やすことが不可欠だ。そもそものカロリーが不足していると、タンパク質を取ってもそれがエネルギーとして消費されてしまう。

 

「ジャンクフードは、『油分や塩分が多く不健康では?』と心配する方がほとんどだと思います。しかし“高密度なカロリー”という意味で、むしろ脂質は味方です。脂質は1gで9kcalあるので、10g取れたら90kcalになります。

 

同様に、塩分も大きな問題はありません。高齢者はある程度動脈硬化が進んでいるため、この年齢から制限しても、死亡リスクが大幅に低減される望みは薄いと思います。

 

年を取ると味覚が衰え、薄味だと味がわからず、食への関心が薄れることも。それで体重が減少するくらいなら、濃いめの味付けにしても構いません」

 

味噌汁やヨーグルトにオリーブオイルを加える、お米を炊くときにMCTオイルを混ぜる、などの方法もおすすめだ。ギトギトの揚げ物は継続して食べにくいという人は、無理のない形で脂質を取ろう。

 

「カロリーの取りすぎはよくない、血圧や血糖値はとにかく下げるべきだ、といった常識にとらわれすぎて、かえって健康を損ねている高齢者をたくさん見てきました。体重が減少し始めたら、健康管理の方向を改めて見直してほしいです」

 

65歳を過ぎて、少し疲れやすくなった、動くことがおっくうになるなどしたら、要注意だ。ジャンクフードをうまく取り入れて、できるだけ長生きしよう!

 

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