「ボケ始め」なら脳は戻せる!専門医が教える認知症グレーゾーンから「脳を戻す習慣」
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■孤独回避のために ゲーセンやファミレスへ

 

毎日の楽しみを作る「生きがい」も欠かせない。

 

「自分自身が夢中になる趣味を見つけたり、孫の成長を楽しんだりするのも、立派な生きがいです」

 

ガーデニングやヨガなどシニア向けの趣味はたくさんある。大声を出すカラオケも、脳にはよいことばかり。

 

「エンドルフィンなどの脳内ホルモンの分泌が促され、脳のストレスが緩和されます」 孤独になると、触れ合いや交流で活性化する脳の海馬や扁桃体など多くの部位を萎縮させるという。

 

「ファミリーレストランで、月1回、2~3時間のランチ会をするだけでも違います。人と会う約束は、『孤独の回避』になります」

 

社交ダンスやフォークダンスも効果的。

 

「スキンシップで、愛情ホルモンのオキシトシンの分泌が促されます。オキシトシンは、アルツハイマー病の原因といわれるアミロイドβという物質による、記憶中枢の障害を回復させる働きがあると、東京理科大の研究が明らかにしているのです」

 

また、近年はゲームセンターのコインゲームコーナーなどに、高齢者も多くやってくるのだそう。

 

「東日本大震災のとき、被災地に医療の応援に訪れた際、ゲームセンターにいる高齢者を見かけました。子供や若い人にゲームのやり方を聞いて、高齢者仲間で楽しんでいましたが、それだけでも脳に刺激を与えてくれるでしょう」

 

5つ目は「利他」。人のためになることは脳によい効果をもたらす。

 

「ボランティアに代表される利他的活動は、相手の喜びを通じ、自分自身の幸福感が高まります」

 

ボランティアでなくても、友人が喜ぶ褒め方を心がけるだけでも、脳に有効だという。

 

「相手が喜ぶポイントを見抜くには、極めてレベルの高い脳トレである、人間観察が必要だからです」

 

「自覚があるうちは大丈夫」と過信していると、あっという間に認知症に進行してしまう。脳をUターンさせるチャンスを逃さず、5つのポイントに留意してわくわくした人生を送りたいものだ。

 

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