【太らないため、おやつは洋菓子より和菓子を】
「間食に甘いケーキやクッキーは肥満の原因になるからと、和菓子を選ぶ人がいますが、肝臓のことを考えるとNGです」
洋菓子にはバターや生クリームなどの脂肪分が含まれているぶん、糖の吸収を緩やかにしてくれる。そのため、和菓子よりもシュークリームのような脂肪分が含まれているデザートのほうが、肝臓にとっては好ましいのだという。
栄養価を考えての果物、野菜の取り方にも気をつけよう。
【ビタミン豊富なフルーツが食後の定番】
「果物に含まれる果糖は小腸ですばやく吸収され、過剰なぶんは中性脂肪に変換されて肝臓に蓄積します。私の患者さんで、シャインマスカットを好んで毎日食べていた人は、たった1週間で脂肪肝になってしまいました」
最近の果物は糖度が高いものが多いので、食べすぎに気をつける、寝る前ではなく午前中に食べるなどの心がけを。
【栄養バランスを気にして野菜ジュースを飲む】
「野菜ジュースは肝心の栄養素である食物繊維が除去されているうえ、果糖ブドウ糖液糖が含まれているものが多いです。野菜の代わりだからと常飲するのは控えましょう」
最後は、肝臓が分解するアルコールに関する習慣だ。
【晩酌は低アルコールのチューハイを選ぶ】
「フルーツフレーバーのお酒は甘くて飲みやすいので、低アルコールだからと飲みすぎてしまう人が少なくありません。結果的にアルコールのダメージが肝臓に降りかかります」
アルコールには利尿作用があるため、汗をかきやすいこの時期は脱水症状の引き金になる危険性も。お酒を飲むときは同量の水も一緒に飲むことを心がけよう。
【休肝日にはお酒の代わりにジュースを飲む】
「休肝日を設けるも、お酒の代わりに糖分を含むジュースを選んでいては台無し。肝臓にとってむしろ逆効果ともいえます」
最後は、自分の肝臓をいたわっていたはずのルーティン。
【飲酒前のウコンサプリで二日酔いを防止】
「ウコンに含まれるクルクミンには、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を促す働きがあります。ただし、ウコンには鉄などのミネラルも含まれており、サプリメントで頻繁に取っていると活性酸素の発生を招き、そこから肝臓の炎症を引き起こすリスクがあることが指摘されています。
サプリをはじめ健康食品は成分が濃縮されていることが多いため、過剰摂取にはくれぐれも気をつけましょう」
肝臓は脂肪がつきやすいと同時に落としやすいという特徴もあるという。ちょっとした心がけが、沈黙の臓器をいたわることにつながるのだ。肝臓を正しくいたわって、夏バテ知らずで長い猛暑を乗り切ろう。
