「低金利時代の貯蓄でお金を増やすには、まず、出費を抑えること。押さえた分で貯蓄を増やす『まとめ払い』を利用しましょう」

 

そう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。消費税が8%になってから、初めてのボーナス時期。少しでもお金を貯める方法を、萩原さんに聞きました。

 

「保険料などを毎月払っている方は、年払いに切り替えましょう。初回分はボーナスや貯蓄から支払います。保険会社にもよりますが、年払いなら約11.5カ月分ですみます。年払いに切り替えた後も、それまでと同じ月払い分を毎月、貯蓄しておきます。翌年はここから支払うと、約0.5カ月分が手元に残ります。残金を利息換算すると、約4%になります。定期貯金などと比べると、利回りの高さは歴然です」

同様に、国民年金もまとめ払いが可能だ。今年4月から始まった2年前納払いは約4%、1年前納では約2%割引となる。また、今年からすべて毎月募集になった「個人向け国債」の利用も、元本保証で、金利の下限が0.05%なので安心だという。

 

「毎月の『先取り貯蓄』も有効です。勤め先の社内貯金制度、なければ給与振込み口座からの自動積立定期預金などを使い、給与から貯蓄を先取りします。生活費は、残りでまかないましょう。貯蓄というと少しでも利率の高い銀行を探す方がいますが、今はどこもあまり変わりません。それより、知らない間に勝手に貯まる方法をとるほうが重要です」

 

貯蓄ではないが、借金の返済を優先するのもいいという。わずかな利率で貯めるよりも、高利子の借金を返済したほうがトクなのだ。

 

「もっとも一般的なものは、住宅ローンの繰り上げ返済です。緊急に備えるお金を手元に残して、余裕資金は貯蓄より繰り上げ返済に回しましょう。特に、返済を始めたばかりの方には効果が大きいです」

 

ローンといえば最近、もっと高利子のローン利用者が増えているという。たとえばキャッシングローン。借入残高のある人は約1千200万人にのぼる(日本信用情報機構・’14年4月度)。また、リボ(リボルビング)払いの利用者も多い。リボ払いは返済が終わる前に次の買い物をして、返済が長期化する人も。

 

「貯蓄をしようという方は、キャッシングやリボ払いに手を出すのは言語道断です。家計の厳しさは増す一方ですが、私たちはなんとかやりくりして増税に耐えています。そうして集めた血税を、政府はどう使うのか、しっかり見極めたいと思います」

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