書店に通うのは、なにも『本を買うためだけ』とは限らない。最近は、従来の店舗とはひと味違う、新しいコンセプトの書店が増え始めている。ちょっと休憩したり、友達とおしゃべりしたり、食事を楽しんだりと、書店が新しい『癒しの空間』にもなっているというのだ。
そこで今回、年間300冊を読破するという芸能界屈指の『本選びの達人』で女優の中江有里さん(39)と、本のPRのプロ”本しゃべりすと”の奥村知花さん(39)に、最新の癒される本屋さんを紹介してもらった。
まず最初に、中江さんが最近のいきつけだという渋谷の東急百貨店内にある『MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店』。1,100坪に130万冊の蔵書を誇る、まるで大きな図書館のようなフロア。この書店には椅子が約30脚設置されており、”立ち読み厳禁、座り読み歓迎!”がコンセプト。
「主婦の方も働く女性も、ふだん、ゆっくり座る時間がなかなかありませんよね。カフェで休憩するような感覚で、15分でも本屋さんで座り読みしてほしい。気持ちの切り替えにもなります。私はこんな隙間の時間が、とても貴重だと思います」(中江さん)
続いては新宿『Brooklyn Parlor』。総座席数140席のカフェダイニングは、ソファ、ハイチェアなどエリアごとに異なる雰囲気を演出。どう見ても飲食店にしか見えないが、蔵書は2,500冊。「アメリカ・NYのブルックリンをイメージしています」と店長さん。ここではお酒も楽しめる。一番人気は『ブルックリンラガービール』だとか。
「私はお酒が飲めませんが、ブックカフェで1杯のお茶を味わいながら、原稿を執筆したりしています。もちろん集中できますよ。たくさんの人に囲まれて、一人で本と向き合う時間が流れていく―——。コレが好き。書店だから場違いな感じもないでしょう?」(中江)
親子連れでくつろぎたい人には、東京・神保町の児童書店『ブックハウス神保町』がおすすめ。店員さんが「むしろ親子連れで来てほしい」と願う、親も子も楽しめてくつろげる本屋さんだ。
「動く絵本、仕掛け絵本、絵本を渡すと朗読するくまさんのぬいぐるみと、ウケること間違いなし。ソファで読み聞かせもできます」(奥村さん)
18時30分から26時まで営業の、東京・阿佐ヶ谷の夜型ブックカフェ&バー『よるのひるね』では、お酒と読書にどっぷりつかれる。
「『屋久島のさばぶし』や本格タイカレーなどの料理やお酒の種類も豊富。フードとカクテルグラスを片手に。店オリジナル書籍を手に取れる。本は名作古書の復刻なども手掛けていて、マニアが喜ぶラインナップです」(奥村さん)