TBSのある赤坂5丁目にも危険エリアが!(写真:アフロ) 画像を見る

「近年、ゲリラ豪雨や線状降水帯がもたらす降雨量の増加は、全国各地で土砂災害のリスクを高めています。土砂災害というと、今回の土石流が発生した熱海市のような山間部で起きると思われがち。しかし、東京のような都市部でも災害の可能性があるのです」

 

こう警鐘を鳴らすのは、地震や水害など過去に起きたさまざまな災害のデータをもとに分析を行っている、災害危機コンサルタントの堀越謙一さん。

 

7月3日、静岡県熱海市で発生した大規模土石流。死者9人、安否不明者21人(9日現在)を出す大災害となった。発生地となった伊豆山地区は、土砂災害が発生した場合に、住民の生命または身体に危害が生ずる恐れがある「土砂災害警戒区域」に指定されていた。

 

国土交通省によると、土砂災害防止法に基づく「土砂災害警戒区域」は全国に約66万3,000カ所。そのうち、住民等の生命または身体に“著しい”危害が生ずる恐れがあるとされる場所は「土砂災害特別警戒区域」として、約54万9,000カ所も指定されている。

 

堀越さんが危険性を指摘する東京都内にも、警戒区域が1万5,000カ所以上。丘陵地帯だけでなく、山手線の内側にも多数存在する。

 

「都心部で起こる土砂災害は、岩や土砂、水が一緒になって、一気に流れ落ちる土石流ではなく、崖や斜面が崩れる『急傾斜地崩壊』が多いです。いわゆる崖崩れのことを指します。突発的に起こるうえ、崩れ落ちるスピードが速いため、崩落の瞬間に居合わせた場合、逃げるのは困難。危険箇所からは、事前に避難することが重要です」

 

そこで堀越さんに、東京都心部で土砂災害が懸念される場所を抽出してもらった。

 

「分析では、ハザードマップによる土砂災害特別警戒区域や『急傾斜地崩壊危険箇所』などのデータをベースに、地形、地質についても調査。さらに熱海市でも問題視されている盛土によってつくられた造成地にも焦点を当て、土砂災害の可能性について検証しました」

 

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