値上げラッシュに負けない「支出を減らし、収入を増やす技」
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■「収入を増やす」広がる年金の選択肢

 

【60歳以降も働く】

 

「手っ取り早く収入を増やす方法は働くことです。会社に勤めている人であれば、60歳以降も再雇用制度を使って、仕事を続けましょう。パートや自営業の人も、可能な限り働き続けること。働き続けることで、収入を得られ、人とつながり社会参加することで精神的な健康にもよいのです。できれば70歳までは働く人生のプランを立てましょう」

 

おすすめは「教育訓練給付制度」を使って、資格を取得すること。

 

「雇用保険の被保険者であれば、指定された教育訓練の受講費用の一部が補助されます。資格を取れば、仕事の選択肢が増えるばかりか、給与が増えることもあります」

 

【年金受給額を増やす】

 

「厚生年金の加入要件が広がります。パートで働くなら、厚生年金に加入できる職場がいいですね」

 

現在、パートの厚生年金の加入要件は、〈従業員501人以上の企業で働いていること〉〈報酬が月8万8,000円以上〉〈雇用の期間が継続して1年以上の見込みであること〉などとなっている。

 

「10月からは、〈従業員101人以上の企業〉〈2カ月超の見込み〉に加入要件が緩和されます。さらに、’24年10月には〈従業員51人以上〉に。パートも厚生年金に加入しやすくなっていくのです。夫が会社員の人は夫の扶養から外れ、社会保険料を払うことになりますが、将来的な年金の受給額が増えることになります」

 

さらに、受給開始年齢を繰り下げることで、年金の受給額を増やすことができる。

 

「現在、受給は原則65歳からですが、最大75歳まで月単位で受給開始年齢を繰り下げられます。1カ月繰り下げるごとに受給額は0.7%アップし、1年繰り下げると8.4%増。70歳から受給すれば42%増、75歳だと84%増です」

 

仮に65歳で月10万円の年金を受給見込みの人が、受給を70歳に繰り下げると、受給額は月14万2,000円に増やすことができる。

 

「夫と妻のどちらかだけが繰り下げたり、厚生年金の報酬比例部分と基礎年金部分のどちらかだけを繰り下げたりすることもできます」

 

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