■寒波を乗り越えれば希望は見えてくる
いわば“限界突破”した燃料費が電気代に反映されているというわけだ。そこに大寒波の影響が加わると、いったいどこまで上がってしまうのか。
「関東地方にある4LDKの一戸建てで暮らす4人家族を例に考えてみましょう。寒波の期間はさまざまな場面で電力使用が増えますが、ふだんは就寝時には暖房をつけていなかった家庭が、寒波に耐えるために就寝時にも暖房を使用するなどして、1日あたりの電力使用量が仮に30キロワットほど増加するとします。
寒波が1週間ほど続けば、生活スタイルによっては、電気料金が1万円以上増額することもあるでしょう」(前出・水野さん)
北海道などの雪国では、さらに高額になることもあるという。
「消費電力の多い蓄熱暖房機や電気給湯器を使っていたり、オール電化の家庭などでは、1カ月の電気代が10万円を超えたという話もあります。寒波の影響があれば、それがさらにかさむのです」(前出・水野さん)
厳しい打撃だが、希望がないわけではない。
「2月から政府による一般家庭への補助が始まります。電力会社による新たな値上げ申請も行われているため今後も予断は許しませんが、2月からは多少改善する見込みです」(前出・水野さん)
節電は重要だが、寒波の影響はそれだけではない。前出の気象予報士・菊池さんが見落としがちな注意点を教えてくれた。
「氷点下4度になると水道管の凍結が起こるといわれています。ふだんの冬は水道管が凍らない地域でも、十分な注意が必要です」
かつてない冬のサバイバル、寒波が早く過ぎ去ることを祈るばかりだ。