■当初の給水は8人家族でも“1日6リットル”
まもなく給水が始まったが、初期は給水所でもあっという間に水がなくなり、もらえない日もあったという。また、給水にありつけても、1世帯に水6リットルしか配給されず、「本当に辛かった」という。
「びっくりしたんですが、お米を炊くにも、なるべく水を使わないようにすごく少ない水で研いでも4リットルかかるんです。赤ちゃんのいる家庭では、水のことを考えたら粉ミルクじゃなくて液体ミルクを用意しておけばよかったって方も結構いましたね」
少量の水で食事はなんとか取れたものの、困ったのは洗い物ができないことだったという。
「本当に節水節水。紙皿、ポリ袋、割り箸などを駆使してやりくりしています。ゴミはたくさん出るけど、そんなこと言ってられないですし、最初の頃は紙皿にラップをして使うなど、紙皿すら捨てられない状態でした」
徐々に水道の復旧が行われていったが、PIYOCOさんの住む地域は、取材した2月15日時点ではまだ断水が続いていた。給水は途中から1日40リットルまで増え、取材時には量の制限は解除されていたものの、家族8人で毎日40リットルは使い切っていたという。
普段あまりにも当たり前に使っている水だから意識することも少ないが、長期に渡る断水下では水が手に入らない状況を想定した備えが重要になってくる。PIYOCOさんは経験を通じて“絶対にあったほうがいい”と思った“備蓄必須項目”をXで発信している。
まず、《我慢できないし、これあれば我慢することないし! これはマジで備蓄して!》というのが“簡易トイレ”だ。
「簡易トイレは被災後にいざ買おうと思ったら売ってないんですよ。だから最初は黒いゴミ袋を買ってきて、新聞紙やペットシートなんか入れて代用してました。絶対にあったほうがいいです」
また、《腐らないし絶対用意しておいたほうがいい。これはウチも、これからまた備蓄しようとおもう》というのが、ラップ、ポリ袋、紙皿、割り箸、プラコップなどの使い捨てアイテムだ。
「ティッシュやキッチンペーパーもあったほうがいいです。タオルなども洗えないので、そういう腐らないもの、日用品の中でもあまりストックを置かないようなものでも、ちょっと多めにあればよかったなって思います。それとトイレットペーパーも。うちは女の子が多いので18ロールが1カ月は持ちませんでした」
いうまでもなく水のストックも重要だが、備蓄にさけるスペースには限りがある。どれくらいあれば安心なのだろうか。
「ご家族の人数にもよりますが、ウチの場合8人で1日40リットルは使うので、例えば3人家族の場合は20リットルとか、2リットルペットボトルだったら2~3ケースあれば少しは安心かな。
もちろんあるに越したことはないですが、備蓄ってなるとそのお水をローリングストックしなきゃいけないじゃないですか。だから、大変かなとは思うけど、やっぱり3?5箱ぐらいはあれば、お水が落ち着くぐらいまで節水で飲食はできるかなと思います」