鍵を失くしたときの絶望感はハンパない(写真:maroke / PIXTA) 画像を見る

「あれ? 鍵がないっ!」

 

20代の女性が夜、帰宅した際、家の鍵を紛失したことに気付いた。

 

スマホで検索した事業者のサイトに「見積もり無料」「解錠2千円~」とあり、約1時間半後に作業員が到着。事前に料金を知らされることなく作業に入り、終了後、約10万円を請求された。

 

「夜遅くに男性ともめるのも怖い」と思った女性はコンビニで現金を下ろし、支払ったという。

 

これは今年4月に国民生活センターに寄せられた実際の相談事例だ。2022年度は1千33件だった「出張系の鍵の修理交換」に関する相談件数は、2023年度に1千114件と増え、2024年度は10月末までの半年間で994件と、昨年度を大きく上回るペースで増えている。

 

東京都消費生活総合センター相談課長の髙村淳子さんによれば、同所への相談件数も年々増加し、2024年度は9月までの半年間で281件と、前年度1年間の225件を上回ってしまっている。2024年度の被害総額は2千524万円にのぼるのだ。

 

そこで家庭の防犯に詳しい防犯アドバイザーの京師美佳さんに、トラブル予防策と撃退法を聞いた。

 

「前提として10万円請求されても妥当な場合もあれば、法外な場合もあると覚えておいてください。

 

たとえば2個解錠しなければいけない場合、1個の場合の2倍になるなど、状況で変わります」

 

まず、スマホ検索で上位に来る業者が優良とは限らないという。

 

「悪徳業者は検索で上位に表示されるように、高い広告費を支払っている場合があります。検索上位の情報をうのみにしないように」

 

いざ困って電話する際には――。

 

「鍵の形状などを話して『いくらですか?』と聞いた場合、業者に『行ってみないとわかりません』と言われることはあります。

 

しかし、現場で状況を見て『直してみないとわかりません』と言われることは、まずありません。現場で作業前に金額を言えないのは、悪徳業者の可能性が高いです」

 

高額で払えないと思った場合、どうすればいいのだろうか。

 

「見積もりの段階なら、断りましょう。作業完了後、価格の折り合いがつかない場合は、消費者ホットライン(局番なしの「188」)に相談してください。

 

しかし『払うまで帰らない』などと脅してくる場合は不退去罪や脅迫罪に該当する可能性がありますので、110番して『脅されて怖いです』『怒鳴られています』と伝えて警察に来てもらうことです」

 

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