「貰いそびれ年金」請求で462万円取り戻せた!年金探偵が教える「請求漏れ」阻止した実例【前編】
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■父の“出稼ぎ”分を発見し年金支給額がアップ

 

1930年(昭和5年)生まれの父、五郎さん(94、仮名)と、娘の直子さん(55、仮名)は秋田県で暮らしている。

 

「’23年10月に、娘の直子さんから、新聞に掲載された『請求漏れ年金チェックシート』の『夏や冬だけの季節労働でも貰える』という記事を見て『父が昔、何回か出稼ぎに行っていたようだ。貰いそびれた年金を少しでも受け取れたらうれしい』と、相談がありました」

 

五郎さんが季節労働をしていた時期は、1960年(昭和35年)~1980年(昭和55年)。詳細には覚えていなかった。

 

「季節労働は、下請け会社によるものが多く、ほとんどがすでに存在していません。その会社を探すのに苦労して、たどりつくまで半年かかりました」

 

今年4月、柴田さんは、東京にB社という会社があったこと、そこに五郎さんの、1963年(昭和38年)7月~1964年(昭和39年)4月の7カ月分の年金記録を発見した。

 

「受給年から現在までの33年分として、1回目14万円。2回目70万円と2回の支給がありました。勤務していた期間が短いため高額ではありませんが、年金の支給額も1年間で2万5千円増えました。直子さんも『ダメ元でお願いしてみてよかったです』と喜んでくださいました」

 

年金は、受給者が申請しないと受け取ることができない。消えた年金は、自分で探し出して申請するしかないのだ。

 

年末年始、実家で祖父母や両親の年金に「貰いそびれ」がないか確認してみてはいかがだろう。

 

【解説してくれたのは…】

柴田友都さん

しばたゆういち・年金コンサルタント。社会保険労務士。1948年生まれ。金融機関に勤務するなか、請求漏れ年金の相談キャンペーンを企画。退職後、産友社会保険労務士事務所を開設。「消えた年金」の相談に従事。調査費用は無料で、見つかった場合は年金額の20%と手数料を受け取る。これまで6千件以上の請求漏れ年金を見つけ出し「年金探偵」と呼ばれている。

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