経済ジャーナリスト・荻原博子さん(写真:本誌写真部) 画像を見る

デジタル庁や警察庁など7省庁が8月7日、LINEなどのSNS大手5社に「なりすまし詐欺広告」への対策強化を要請しました。7省庁が連携しての要請は初めてです。

 

なりすまし詐欺広告とは、SNS上で著名人などの名をかたり偽の投資を呼びかけるもの。2022年ごろに私の写真を無断で使った広告も現れ、運営企業に削除を依頼しても対応してくれず苦慮しました。

 

なりすまし詐欺広告はSNSのダイレクトメッセージ(DM)などで発信されます。返信すると95%以上のケースでLINEに誘導され、偽の投資話を吹き込まれます。お金を投じると最初はもうかるのが詐欺師の手口です。それを真に受けて信用してしまい、何度も送金した挙げ句、連絡が取れなくなって詐欺だと気づくのです。

 

こうした「SNS型投資詐欺」の被害が増えています。2026年上半期の被害件数は5千893件。前年同期の2倍以上です。被害額は約798億円で2.3倍。この被害額は特殊詐欺全体の43.9%に当たり、手口別被害額で第1位。オレオレ詐欺は約69億円で3.8%ですから、詐欺の手口が変わってきたということでしょう。しかもSNS型投資詐欺は1件当たりの被害額が約1千363万円と高額です。

 

■「SNSでの投資話」「必ずもうかる」は詐欺

 

具体的な手口としては、著名人をかたるSNSで「○○先生の言うとおりにすれば必ずもうかる」とそそのかし、その先生がすすめる偽の投資商品を何度も購入させるなど。被害額1億円以上の50代女性や、6千300万円の60代男性など、総被害額の約6割を50代と60代が占めています。

 

冒頭の要請など、国はやっと重い腰を上げた格好ですが、私のなりすましが現れた2022年ごろから被害はあったはず。国の対応は遅すぎるのではないでしょうか。

 

また、デジタル空間での詐欺ですから、こんなときこそデジタル庁が中心となって効果的な対策を講じてほしいものです。

 

とはいえ、国やSNS事業者の対策強化を待っていられません。自分のお金は自分で守る、詐欺にあわないすべを身につけましょう。

 

【1】SNSでの投資話は詐欺と思え

特に知らない人からのDMには反応しないと決めておきましょう。

 

【2】「必ずもうかる」は詐欺

投資に絶対はないので、「必ず」などの文言は「金融商品取引法」で禁止されています。証券会社などの広告には使われません。

 

【3】“うまい話”は必ず確認を

大手の銀行や証券会社をかたることもありますが、社名だけで信用すると痛い目に。入金などをせかされても、188(消費者ホットライン)に電話して確認を。

 

【4】著名人はホームページで確認

私のホームページには詐欺広告への注意喚起をのせています。著名人が登場する広告を見かけたら、本人のホームページで確認して。

 

“あなただけのうまい話”などありません。蓄えは、安心安全な国債などでコツコツ作りましょう。

 

【PROFILE】

おぎわらひろこ

家計に優しく寄り添う経済ジャーナリスト。著書に『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP新書)、鎌田實氏との共著『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)など多数

 

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