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(写真・神奈川新聞社)

川崎市立中学1年の男子生徒殺害事件で、傷害致死の罪に問われた無職少年B(18)の裁判員裁判(近藤宏子裁判長)が2日、横浜地裁で開かれた。少年は起訴内容をほぼ認めた。

起訴状の朗読の後、近藤裁判長が「起訴内容に間違いありませんか」と問うと、短髪姿の少年Bは「少年Cが切りつけたところは見ていませんが、それ以外は間違いありません」と認め、弁護側も「同意見です」と述べた。

起訴状によると、少年B(18)は昨年2月10日午前2時ごろ、1学年上の少年C(18)=傷害致死罪で起訴=と主犯格の少年A(19)=殺人などの罪で懲役9年以上13年以下の不定期刑が確定=と共謀し、多摩川河川敷で男子生徒の首をカッターナイフで多数回突き刺して殺害した、とされる。

検察側は冒頭陳述で、「少年Bは少年Cが切り付けたところ以外は認めており、少年Aと少年Cと一緒に起こしたこと自体に争いはない。争点となるのは、有罪とするのか、保護処分とするのかだ。特段の事情があれば保護処分も認められるが、検察側は刑事罰が妥当と考えている」などと述べた。

少年法は未成年の被告について、審理の結果、少年院送致などの保護処分が相当と認める場合は、判決を言い渡すのではなく、事件を家裁に移送しなければならないと定めている。移送を受けた家裁は再び調査し、処分を決める。

検察側は、刑が確定した主犯格の少年Aの量刑も考慮しつつ懲役刑を求めており、裁判員らは少年Bに刑罰か少年法が定める「保護」のどちらがふさわしいか、難しい判断を求められる。

少年審判で、少年Bは主犯格の少年Aに脅されてやむを得なかったとし、刑の軽減や免除を定めた刑法の「緊急避難」を主張。刑事裁判の無罪に当たる「不処分」を求めていたが、家裁は検察官送致(逆送)が相当と判断していた。弁護側は家裁の逆送決定を受け、裁判員裁判では犯罪の成立は争わず、情状面で少年の立場や役割を主張する方針。

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