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(写真・神奈川新聞社)

覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪に問われた元葉山町議細川慎一被告(41)の初公判が27日、横浜地裁(並河浩二裁判官)で開かれた。起訴内容を認めた被告に対し、検察側は懲役1年6月を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求めて即日結審した。判決は5月12日。

被告人質問で細川被告は「17、18歳ごろに知り合った人に注射され初めて(覚醒剤を)使った」と述べた。その後は絶ち切っていたが約4年前に再び使い始め、逮捕の半年ほど前から頻繁に使うようになったという。動機は「覚醒剤を使うと睡眠をとらなくても済み、集中力も高まった。議員の仕事が進むと思った」と説明。最終意見陳述では「捜査や裁判に税金が費やされたことを申し訳なく思う」と述べた。

検察側は論告で「町議という公的な立場にあり、有権者の信頼を裏切った悪質な犯行」と非難。弁護側は「犯行は町議としての職務を全うしようとしたためで、酌むべき事情がある」と情状酌量を訴えた。

起訴状によると、被告は2月16日、横浜市中区で覚醒剤0・377グラムを所持したほか、同日ごろ、同区内のコンビニのトイレで覚醒剤を使用した、とされる。

◆“栄養ドリンク”感覚か
集中力を高める“栄養ドリンク”感覚だったのか-。葉山町議としての職責を果たすために覚醒剤を常習していた、と明かした細川慎一被告。同町議会の関係者も見守る法廷で、薬物に手を染めた経緯とともに、公選職という立場への強い思いを語った。

「与えられた時間は税金で賄われている。怠けることは許されない」。その重圧から、最も反社会的イメージが強い覚醒剤にすがった。

2015年4月の同町議選で初当選した細川被告は、同年の夏ごろから覚醒剤を頻繁に使い始め、町役場の議員控室でも使用したという。だが、逮捕後も出処進退については明言を避け続け、議会が全会一致で可決した辞職勧告にも応じないまま。保釈後に被選挙権が途切れたとして失職させられるまで、議員報酬も支払われていた。

この日、失職決定に不服を申し立てた理由について問われると、「手続きは法の趣旨から外れている。私が原因で、間違った前例ができることは耐えられない」と議会側の手法を疑問視。町議として活動を続けるかとの問いに対しては、「今は失職の身で選択肢がない。今後選択の余地があるなら判断したい」、再度公職に立候補する意向については「今は考えが及ばない」と述べるにとどめた。

終始うなだれることもなく、裁判官の顔を直視して多弁だった細川被告。閉廷後は記者の呼び掛けに応えることもなく、足早に車に乗り込んだ。