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(写真・神奈川新聞社)

10年前に横浜で実践され、投票率向上に一役買った取り組みが全国展開される。その名も「投票所はあっち→」プロジェクト。デザイナーによるカラフルな「矢印マーク」の看板を壁に掲示したり、手に持ったりして、街全体の雰囲気を「選挙モード」に仕上げようという試みだ。企画した映像作家の丹下紘希さん(48)は「一人一人が政治に関わる、そんな仕組みの一つにしたい」と期待を込めている。

オレンジや黄色、ピンクなど色とりどりの大きな矢印に「投票所はあっち」「手ぶらでも投票できます」などの文字と絵が描かれた図柄をプリントして看板にする仕組み。インターネットの特設サイトからデータをダウンロードして印刷したり、コンビニのコピー機でプリントしたりできる。参加費や申し込みは不要で、自由に参加できるのが特徴だ。

仕組みの原点は、2006年に横浜市長選の投票率を上げようと同市中区寿町で街の活性化を手掛けていた「コトラボ」(岡部友彦代表)の活動だ。市長選の盛り上がりはいまひとつで、全区的に投票率が下落、中区全体でも3.19ポイント下がった。だが寿町の投票率だけが4.07ポイント上昇した。

丹下さんは3年ほど前にこの試みを知り、いつか全国へ、と思い続けてきた。「一人一人が主体的に街を選挙でデザインするという意味で、本当に素晴らしい」と、この5月、岡部さんへ連絡、アイデアを自由に使えるよう快諾を得た。

「街に出れば、街宣車から名前の連呼と顔写真の選挙ポスターだけ。それでは投票率は上がらない」と丹下さん。国政選挙は50%台が目立つ低投票率で、14年12月の衆院選の小選挙区では戦後最低を更新した。「これでは民主国家とは言えない。投票率を引き上げたい。上がれば政治も社会も一変する」と指摘する。

一人一人が政治に関心を持つことで市民は、国会と日常生活が無関係ではないと気付く。「そのスイッチを入れたい」

快諾した岡部さんも「投票率向上に加え、アートイベントとして街のイメージも変えられる」と期待している。

デザインは7種類で、大小2パターンから選べる。掲示の注意点やダウンロードサイトはホームページ(http://www.go-vote.jp/)から。30日午前9時から午後5時までシェアカフェ「ブラフテラス」(同市南区唐沢)で随時、看板を作るワークショップが行われる。問い合わせは、担当の樋口さん・電話090(4456)0567。