image
(写真・神奈川新聞社)

昭和30年代の暮らしを再現した歴史資料室「史季(しき)の郷」が、横浜市立新鶴見小学校(同市鶴見区江ケ崎町)の敷地内にオープンした。室内には当時の家具や家電、料理道具などの生活用品約150点がぎっしり。おもちゃや雑誌を手にすることもでき、60年前にタイムスリップしたような感覚を味わえる。

 

「『となりのトトロ』に出てくるポンプだ!」

 

台所にある井戸水ポンプを見て、近くに住む少年(3)が声を上げた。妹(1)と水をくみ上げていると、そばにいた高齢の男性が「もっと力いっぱい押してごらん」とアドバイス。母(32)は「昔の生活を実際に体験できて子どもたちは大喜び」と笑顔だった。

 

史季の郷は床面積約40平方メートルの平屋建てで、1階居間には当時のたんすや鏡台、テレビなどが並ぶ。引き出しを開けるとビー玉やおはじき、お手玉などが、ちゃぶ台の上には当時の写真雑誌が置かれ、いずれも手に取ることができる。屋根裏部屋には、明治中期から昭和30年ごろまで地元の農家などで実際に使われていた万石や大八車などの農機具約50点を展示している。

 

開設の発起人で、約40年にわたって収集した古物を寄贈した鴨志田潔さん(70)は「住民の心のふるさとになる場所になれば。若い人には昔の暮らしぶりを知ってほしい」と来館を呼び掛けている。

 

資料室は市の助成金530万円と地域の寄付計1千万円で整備し、6月26日に開館した。入場無料、月水金休館。問い合わせは、鴨志田さん・電話090(6545)3576。

関連カテゴリー:
関連タグ: