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(写真・神奈川新聞社)

安全保障関連法の成立から丸1年となった19日、東京・千代田区の国会前周辺で大規模な抗議行動が行われ、同法の廃止を訴えた。主催者発表で2万3千人が集まり、同法に基づき実施される見通しの南スーダンでの「駆け付け警護」や沖縄・高江でのヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設に反対の声を上げた。野党幹部も相次いで登壇するなど、安倍政権退陣に向け共闘を確認し合った。

 

「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の主催。雨天にもかかわらず詰めかけた参加者は「戦争する国、絶対反対!」「違憲な法律いますぐ廃止」などと声を合わせた。主催者によると、賛同する抗議行動は全国400カ所余りで行われた。

 

国会前などで安保法制に抗議し続け、8月15日に解散したSEALDs(シールズ)の創設メンバーで、大学院生の林田光弘さん(24)=横浜市=もマイクを握った。1年を振り返り「抑止力の向上が立法理由だったが、その抑止力は機能するどころか、むしろ東アジアの状況は悪化している。『抑止力が高まる』というのは詭弁(きべん)で説明もされていない」と指弾。同法を踏まえ新たに自衛隊に課せられる武器使用の任務についても「命を奪い、奪われるリスク、その両面に対して、現政権の対応はあまりにずさん」と異議を唱えた。

 

一方で「嘆くのはまだ早い。この国の憲法はまだ死んでない。憲法を生かし、路上に出て意思を示そう。1票を行使しよう。私は1度だって諦めていない。何度だって言う。終わってるならまた始めればいい」と語りかけた。

 

主催団体の「解釈で憲法9条壊すな!実行委員会」の高田健さんは、「南スーダンへの自衛隊派兵」を特に問題視。「南スーダンは既に戦地、内戦状態」とした上で、「日本政府は、ここに自衛隊を武装した外国人部隊として派兵することになる。殺し殺される事態になることは火を見るより明らか。政府は自衛隊員が死ぬことを前提に派兵しようとしている。絶対阻止のため闘わなければならない」と気勢を上げた。

 

民進党の岡田克也前代表や共産党の志位和夫委員長らもマイクを握った。岡田前代表は「違憲の法律は何年たっても憲法違反。廃止しなければならない」と指摘。志位委員長も「安保法発動を許さない、という新しい闘いが始まる。最後まで闘う」と宣言した。社民党幹部や生活の党所属の国会議員もスピーチし、4党で手を握り合った。

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