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(写真・神奈川新聞社)

 

三浦市で産学官民が協力して真珠養殖を復活させ、海洋教育に生かす「三浦真珠プロジェクト」が本格化している。市や東京大学三崎臨海実験所(同市三崎町小網代)などが2013年に始めた取り組みで、今後は連携の輪を広げて養殖に携わる人材育成や観光産業振興にもつなげ、三浦真珠を通じて地域活性化を図る。

 

同実験所は1886年に設立。初代所長の箕作佳吉が真珠製造販売「ミキモト」創業者の御木本幸吉に真珠の養殖を勧めたとされる。1949年から60年代にかけては県や民間業者が小網代湾などで養殖を行ったが、水質汚染が原因で定着しなかった。

 

プロジェクトは2013年10月にスタート。ミキモトの技術指導を受け、みうら漁業協同組合の有志らが養殖の復活に取り組んできた。海洋教育の一環として、地元の市立名向小学校の児童がアコヤガイへの核入れや真珠の取り出しを体験。京急油壺マリンパークも来場者向けに体験イベントを手掛けている。

 

三浦真珠のブランド化を通じて地域振興を図ろうと、プロジェクトを本格化。県立海洋科学高校(横須賀市長坂)や他の民間企業を加えて「三浦真珠プロジェクト委員会」をことし4月に新設し、今後の事業計画を策定する。同漁協が引き続き養殖の中心を担い、同校では養殖に関わる人材を育成する授業と実習を17年度から開始。マリンパークはさまざまな形の半円真珠の生産などに取り組む方針だ。

 

今後は同漁協、同校、マリンパークが中心的役割を担い、プロジェクトとして一連の活動支援や産業創出を図る。同大も同実験所だけでなく、広く大学の社会連携事業として参画。同実験所の所長は「大学の英知を活用し、地域活性化を目指す」と意気込む。

 

28日には同実験所創立130周年記念を兼ねて、プロジェクトのキックオフシンポジウムが三浦市民ホール(三浦市三崎)で開かれ、約450人が参加。名向小の5年生12人が体験学習を報告し、「貴重な体験を一生心の中に残しておきたい」と目を輝かせた。

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