(写真・神奈川新聞社)
横浜市内の百貨店で、バレンタイン商戦が熱を帯びている。女性から男性にチョコレートを贈る従来の形に加え、自分用や同性同士でも贈り合うイベントとして定着しているバレンタイン。ことしは2月14日が3年ぶりに平日とあり、学校や職場で贈る「義理チョコ」の販売増のほか、普及が進むSNS(会員制交流サイト)での拡散効果にも期待の声が上がる。
バレンタイン売り場を立ち上げた初日の1月27日、前年比約2割増の売り上げだったそごう横浜店。「高額商品のシェアが拡大していることなどから、バレンタインの販売は年々伸長傾向にある」と担当者。今月4日までの売り上げも、13.6%増と好調だ。
本場欧州や国内パティシエのチョコなど、約100ブランドを用意。画像共有アプリ「インスタグラム」などSNSの普及も盛り上がりを後押ししているとして、ことしは見栄えが華やかなものや、デザイン性の高い商品を充実させている。
2016年のバレンタインの売り上げが前年比16%増だった横浜高島屋。「友人同士で贈り合ったり女性が自分用に求めたりするケースだけでなく、最近は自身に購入する男性の姿も増えている」(担当者)と、贈る対象の多様化を実感しているという。
日本初上陸のものなど、希少性の高い商品をはじめとする約120ブランドを販売することしは、当日が平日であることを受けて義理チョコに適した商品を強化。「ゴジラ」をモチーフにした板チョコや湘南の酒蔵が作るものなど、価格が手ごろでユーモアあふれる商品を薦めている。両店ともに売り上げ目標は、前年比1割増とした。
京急百貨店は、国内外の有名パティシエのチョコなど約70ブランドをそろえた。初日の4日から2日間の売り上げは前年比3割超の伸びで好調な滑り出し。昨年の各館リニューアルでもテーマに据えた「健康志向」需要にも着目し、砂糖の代わりに麦やコーンを使った自然な甘さのビターチョコや、生クリームに代えて豆乳を使うなど、体に優しい食材のみで仕上げた商品を売り出す。
「職場でも配りやすい、小分けになった商品には朝から行列ができた」と担当者。そごう横浜店でも低単価商品のまとめ買いが昨年より目立つといい、各店とも「義理チョコの復活」を予想していた。