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(写真・神奈川新聞社)

 

高齢ドライバーによる交通事故対策として、大和市はドライブレコーダーを高齢者に無償で貸し出し、市職員が運転を個別診断する取り組みを始める。録画映像で自身の技能を客観的に把握してもらい、免許証の自主返納にもつなげる。県内自治体では初の試み。

 

高齢者の認知機能検査を厳格化する12日の改正道交法施行に合わせた対応で、市は「シルバー・ドライブ・チェック」と名付けた。

 

高齢者による死亡事故が相次ぐ昨秋以降、同様の取り組みは主に各地の警察本部が始めたが、市町村が試行するのは全国的に珍しい。運転診断は警察官が担う場合がほとんどで、取り締まりを連想して申し出をためらう高齢者にも配慮した。

 

ドライブレコーダーを自家用車に取り付けてもらい、10日間ほどの運転後に市が回収する。市交通安全教育専門員が映像を確認しながら個別診断し、注意点や改善点を助言。免許証の返納を希望すれば大和署に取り次ぎ、認知症が疑われる場合は医師の診断を勧める。

 

市道路安全対策課によると、2015年までの10年間に市内で死亡事故を起こした高齢者は73~90歳の3人で、貸し出しの対象を70歳以上の市内在住者とした。5台のレコーダーを購入し、4月に希望者を募集後、5月から配布する。

 

県警交通総務課によると、2016年の1年間に二輪車と自動車を運転して人身事故を起こした第1当事者は2万5,235人で、65歳以上は2割の5,095人を占める。このうち、29人は死亡事故を起こしていた。

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