(写真提供:ホテルニューグランド/神奈川新聞社)
ことし開業90周年を迎えるホテルニューグランドは、1927年12月1日の開業当日に開かれた結婚披露宴で供されたフルコース料理を、節目を記念して復刻する。本館2階のレインボーボールルームとフェニックスルームで、披露宴のための料理として、12月1日から提供を始める。
企画の発端は、開業日当日に披露宴を開いた夫婦の娘からおよそ10年前に寄贈された、当日の料理献立などの資料。同ホテルでは、戦争で焼失してしまった資料も多く、客から提供されることも少なくないというが、献立表は「初めて見たもの」だったという。このことから、90周年の記念事業として今回、復活を決めた。
夫婦の一族は夫婦と娘夫婦、さらにその娘夫婦と3代にわたって同ホテルで披露宴を開いたこともあり「おめでたいこと」とメニューの復刻を快諾してくれたという。5代目総料理長の宇佐神茂さんを中心に、同ホテルに現存する写真や文献などで検証を行い、メニューから盛り付け、サービスに至るまでをよみがえらせる。
復刻特別フルコースは、白地に富士山と波が描かれたホテル伝統の皿で提供する、初代料理長が導入した「前菜(オードヴルフランセ)」に始まり、スッポンのコンソメスープ「鼈清羹汁」と続く。縁起が良いと言われるイセエビを使ったテルミドール「伊勢海老」や牛ヒレ肉と相性のよいマデラ酒を煮詰めたマデラソースを使った「牛繊肉焙焼」、「七面鳥ロースト」といったメイン料理の後に、イチゴとバニラの紅白のアイスクリーム「紅白氷菓」、果物「交菓果」までがコースとなる。
2品目のスープから、6品目のアイスクリームまでは、担当者が「若手従業員への技術継承のためでもある」と話すこだわりの、プラッターサービスというスタイルで提供される。銀の皿に彩り豊かに盛りつけられた料理を披露してから、客の目の前で取り分けるスタイルで、同じ量をいかに美しく盛りつけるかがポイントになる。
同コースの提供は、2018年4月30日までで、40人以上の披露宴、1日1組限定。予約は4月1日から始める。価格は1人税サービス込みで2万3760円。問い合わせは、同ホテル・電話045(681)1841。