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(写真・神奈川新聞)

 

大井町の農家有志が休耕田を活用して栽培した酒米を原料とした地酒「夢高尾」が完成した。100%地元産の辛口の純米酒は、米の甘みやうま味が感じられ、口当たりもなめらかな逸品。醸造元の井上酒造(同町上大井)や町内の酒販店3店で、2月3日から販売する。

 

原料の酒米は「吟のさと」。最高級の酒米として知られる「山田錦」と同程度の品質を持つのが特徴で、地元の農家10人でつくる「高尾棚田保存会」が同町高尾地区の棚田約5千平方メートルで栽培、約2100キロを収穫した。

 

井上酒造は70%精米後の約1200キロを、同社の井戸で湧くミネラルを多く含んだ硬水で仕込んだ。4合瓶(720ミリリットル)で約3千本出荷する。

 

出来上がった地酒は米由来の甘みやうま味があり、口当たりは非常に優しく、なめらか。硬水仕込みの特徴のしっかりした酸味が後味のキレや爽快感を与えるとともに、穏やかな吟醸香も感じられ、冷酒でも熱かんでも楽しめるという。杜氏(とうじ)の湯浅俊作さん(29)は「米と水の特徴を生かした酒造りを心掛けた」と自信をのぞかせた。

 

価格は1200円(税別)に設定。井上寛社長(68)は「70%精米の純米酒は1100円前後が多いが、生産者に少しでも恩恵がありつつ、まずは地元で飲んでもらうため」と説明。ラベルにある「夢高尾」の文字を書いた間宮恒行町長は「地元の水稲栽培にも良い影響を与えてくれれば」と述べた。

 

保存会代表の藤澤憲吾さん(70)は「100%地元産の日本酒を、町民をはじめ、多くの人に楽しんでほしい」と期待した。