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(写真・神奈川新聞)

 

高徳院(鎌倉市長谷)の国宝・鎌倉大仏の保存修理に向け、半世紀ぶりに行われた大規模調査を市民らに伝えるシンポジウムが22日、市生涯学習センター(同市小町)で開かれた。同院などの主催で約300人が参加し、保全の在り方を探った。

 

調査は2016年1~3月に実施した国庫補助事業。全高約13・35メートルの大仏の内外に足場を組み、損傷の確認や洗浄、エックス線を使ったさび成分分析、免震装置の点検などを行った。それぞれの調査に携わった専門家らが登壇し、「健康状態」は良好と振り返った。

 

洗浄などを担当した国立西洋美術館学芸課の邊牟木(へむき)尚美保存修復室長は、一番の苦労を胎内にこびりついたガムの除去と振り返った。100カ所以上あり、「おさい銭や小石を取り込み、石のように硬化したものもあった」という。一部の拝観者が付けたとみられ、表面を傷つけないように手術用メスや薬品で落とした。「何百年も残ってきた鎌倉大仏を一緒に守りたい」と述べ、保全に向けて拝観者の意識改革の必要性を訴えた。

 

高徳院の佐藤孝雄住職は「信仰の対象のご本尊をどう保存していくか、現代人の良識と知恵にかかっている」と話した。