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(写真 神奈川新聞)

 

岡本太郎が作品制作の取材に訪れた土地や旅先で撮影したカットを展示した企画展

 

「岡本太郎の写真-採集と思考のはざまに」が、川崎市岡本太郎美術館(同市多摩区枡形)で開かれている。約10万カットとされる膨大な写真の中から、沖縄やメキシコの暮らし、東北地方の祭りや農具・漁具などを捉えた約200点を展示した。

 

太郎は若き日の留学先のパリで、交流のあった写真家から手ほどきを受けた。戦後、雑誌に寄稿した文章の挿図として自身の写真を使うようになり、多くのカットが残されたという。

 

企画展では、1959年に訪れた那覇の街頭や石垣島の市場・海岸、コザ市(現・沖縄市)の光景、62年の青森県・恐山など国内カットのほか、52年のパリや67年のメキシコで撮影した人々の表情が印象的な作品が、「道」「屋根」などのテーマごとに並ぶ。

 

担当する佐藤玲子学芸員は「編集者ら旅の同行者が見過ごしていたささいな瞬間を捉えている。太郎にとって写真は、作品を思考する前の採集段階のまなざしで、絵画や彫刻につながるモチーフがある」と説明し、来場を呼び掛けている。

 

太郎が撮影に使用した一眼レフや超小型カメラ、フィルムを原寸でプリントしたコンタクトプリント(ベタ焼き)も展示している。

 

展示は7月1日まで(月曜休館)。小説家や写真家らによるレクチャーシリーズ「写真・採集・思考」が5月12日、19日、26日の午後2時から行われる。

 

観覧料は一般800円、高校生・大学生・65歳以上600円、中学生以下無料。

問い合わせは同美術館電話044(900)9898。

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