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(写真・琉球新報社)

【ヘリパッド取材班】沖縄県の東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場への新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、機動隊は22日、建設に反対し工事車両の通行を阻止しようとした市民ら約90人を強制排除した。男女2人がけがをして緊急搬送された。機動隊は炎天下、市民を約1時間半にわたって機動隊の大型車両と隊員で挟むように囲い込み、体調不良を訴える人も出た。

 

沖縄防衛局が工事に着手した7月22日も強制排除に伴い負傷などで3人が搬送されており、着工後に計5人が緊急搬送される事態となった。

 

着手から1カ月で政府は強硬姿勢を強めており、市民からは「人権上、問題ではないのか」など批判の声が上がっている。

 

けがをしたのは、名護市辺野古在住の島袋文子さん(87)。機動隊ともみ合いになり、右手小指に5針を縫う切り傷(全治1週間)を負った。車間に座り込んだ大宜味村在住の男性(63)も機動隊員に膝で胸を圧迫され打撲を負った。男性は「暴力がひどすぎる。2、3分も(圧迫が)続き、痛くて骨が折れるかと思った」と憤った。

 

市民らは、工事車両の通行を阻止しようと、新ヘリパッドが計画されるN1地区ゲートにつながる県道70号の高江橋の上に車両約30台を2~3台ずつ並べて列を作り、道路を封鎖した。強制排除する機動隊に対し、封鎖した車の間に座り込んだり、車体の下に潜り込んだりして抵抗した。

 

機動隊は座り込みの排除と並行し、高江橋を封鎖している市民らの車を移動させ、通行路を確保した。

 

午前11時半ごろ、砂利を積んだ大型トラック約10台を含む工事関係車両約20台がN1地区ゲートに向けて通過し、搬入された。

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