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(写真・琉球新報社)

 

泡盛について話しだすと、次々と言葉があふれてくる。人懐っこい笑顔で周囲を盛り上げる津波志織さん(24)=沖縄県・読谷村=は、ただの泡盛好きではない。津波さんは日頃、4人の男の「職人」に囲まれて崎山酒造廠(金武町)の伊芸工場で働く杜氏(とうじ)だ。

 

理科好きだった津波さんは食品化学の分野に興味を持つ一方、沖縄料理店でのアルバイトを通じて沖縄の食に関わりたいとの思いを抱くようになった。調理に関わる仕事を考える中で、調味料など調理の陰にある存在が気になりだしたという。

 

ある日、「泡盛はどうやって造るのか」とふと思い、直感のまま東京農業大学短期大学部の醸造学科に進学し、酒類をはじめとする醸造技術を学んだ。

 

大学卒業と同時に同社に就職して4年目。津波さんは「原材料はほぼ同じだが、酒造所ごとに味が違うのも魅力。消費者には、飲み比べて自分好みの酒造所を探してもらいたい」と泡盛の奥深さを語る。

 

一方、「今よりもおいしくなる泡盛造りを追求したい。将来は若い人にも泡盛好きにも好まれる泡盛を造りたい」と意気込んだ。

 

読谷村楚辺の酒膳処香貴が24日、同店で開いたかたやびら泡盛祭に津波さんはアドバイザーとして参加。津波さんは「これからの季節はお湯割りがお薦め。泡盛4、お湯6が香りも引き立つ。ロックも薦めているが、ロックが苦手な女性などは、かんきつ系の炭酸ジュースで割ると飲みやすくなる」と話した。

 

泡盛愛は尽きず、最後には「泡盛は何でも合いますけどね」とまとめ、笑顔を見せた。(藤村謙吾)

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