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保存・活用が検討される平和祈念像の原型=10月28日、宜野湾市普天間の山田真山画伯のアトリエ (写真・琉球新報社)

 

【宜野湾】糸満市の平和祈念堂内にある、故山田真山画伯の平和祈念像の原型が、宜野湾市普天間のアトリエ(工房)に保存されている件で、宜野湾市は文化財登録・指定と展示施設建設を検討していることが8日までに分かった。今年5月と8月に「保存および展示に関する専門家等意見交換会」が開かれ、修復や展示の方法について有識者や市関係者が話し合った。

 

市が2025年度までに進める「普天間飛行場周辺まちづくり事業」の一環で、平和学習を行う交流施設として活用が検討されている。30年度に具体的に保存計画を策定する方針。

 

像は糸満市摩文仁の平和祈念堂に安置されている。作者の山田画伯は沖縄戦を体験し、息子2人を戦争で亡くした。全戦没者の追悼と世界平和を祈念し、原型を制作した。1977年の死去後、沖縄協会(糸満市)が原型とアトリエを管理している。

 

専門家等意見交換会で会長を務める小林純子県立芸術大教授は「直接作者が触れたという点で文化財として価値を持つ。実際に、ヘラの跡などが残っている」と意義を語った。

 

小林教授によると、一般的に原型は粘土で作ることが多いため劣化が激しい。しかし、平和祈念像の原型はしっくいで作られており完成直後の形を保っている。「価値ある原型が残ったのは沖縄のしっくいが使われたためだ。早急に処置すれば、半永久に保存できる」と強調した。

 

9月にアトリエの壁に落書きが見つかったが、沖縄協会の比嘉正詔専務理事らが8日までにペンキを塗り直した。比嘉専務理事は「貴重な原型が収められていることを知ってほしい。皆で大切に保存していきたい」と話した。

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