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(写真・琉球新報社)

 

【伊江】「辺野古・高江・伊江島、この三つは一つであります。毎日怒りと悔しさが続いている。71年がたっても、今は戦時中であります」。伊江島の反戦平和資料館で謝花悦子館長(78)は11月22日、資料館を訪れた人たちの目を見ながら力強く語り掛けた。

 

東京の旅行社が企画した伊江島の歴史を学ぶツアーで、謝花館長が話をした。県内外から訪れた12人の参加者が聞き入った。故阿波根昌鴻さんと平和運動を続けてきた謝花館長は東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)工事が続いていることを指摘し「県民が命懸けで闘っているこの状況は何なのか。沖縄戦から国は責任も取らない、反省もしない。あまりの悔しさに何なんだと言いたくなる」と工事を強行する国の姿勢を批判した。

 

謝花さんは71年前の沖縄戦を振り返り「この島は木一本、家一軒残らず全滅になった。小さい島に敵を呼び寄せ、死体で足の踏み場もなかった。この人災をもたらしたのは国だ」と伊江島が壊滅的な被害を受けた時の状況を説明した。

 

戦後、島民は米軍に強制的に土地を接収された。自分たちの土地を守るため、阿波根さんを筆頭に非暴力・無抵抗で闘い続けた。「沖縄県民は夜も昼も24時間寝泊まりをして座り込みを続けてきた。たくさんの成果を挙げたものもある。戦争を食い止めるためにはどうしても、たくさんの人の声がいる。平和運動は少人数ではできない」と謝花さんは訴えた。

 

伊江島では、米海兵隊輸送機MV22オスプレイが飛び交い、騒音が増加している。2015年度に伊江島補助飛行場周辺で発生した60デシベル以上の騒音発生回数は、13年度の約2・5倍にもなる。

 

謝花さんは伊江島から高江、辺野古へとオスプレイが飛び交い、やんばるの住民の暮らしが脅かされるのではないかと危惧している。「平和をつくるのは県民だけではできない。これは、今の状況を打開できるかどうかは国民の責任になる。本土の人にも意識してもらいたい」と語った。
(阪口彩子)

 

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