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『保育園内のすべり台で遊ぶ園児と目を配る保育士ら=2016年、沖縄県内』

 

那覇市内の認可保育園の4月入園希望者のうち入園できなかった児童が640人いる一方、認可保育園全97園の半数を超える50園で計701人の定員割れがあることが11日、分かった。市は、保護者が希望する園とのミスマッチや保育士不足を要因としている。全国で3番目に多い待機児童解消に向けて、市は認可保育園の新設を加速させているが、地域や希望者の実情に合わせた計画が求められそうだ。

 

市こどもみらい課によると、4月1日時点で定員割れの認可保育園は、前年同時期と比べて倍増した。1日時点の市内の全認可保育園の定員は、新設園の開園などで昨年の同時期に比べて1699人増の8521人。そのうち4月入園決定者は7820人にとどまった。1日時点の入園決定者が定員を下回ったのは2015年以降初めて。

 

保育定員の増加に伴い、4月入園希望者で入園を断られた児童数は前年に比べて400人減った。

 

市によると、定員割れをしている保育園の3割が4月に開園した新設園。また3~5歳児クラスでの定員割れが目立った。一方で、1~2歳児クラスでは定員を超える園が多く、弾力運用で受け入れを増やした園もある。

 

市は、3~5歳児から新たな保育園に入れる保護者が少ないことや、4~5歳児は幼稚園やこども園など保育園以外の選択肢があることから、定員と保護者ニーズのミスマッチが起きているとみている。市は「0~1歳で入園した子どもたちが移行すれば徐々に定員は埋まる」としている。

 

一方、保育士不足で、園児の受け入れができていないクラスも49クラスあり、定員割れの要因の一つとしている。市は「保育士が確保でき次第、園児を受け入れて対応したい」と話した。

 

那覇市の16年10月時点での待機児童数は786人で県内最多。市は18年度にはさらに約10園の認可園を新設する予定としている。(田吹遥子)

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