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山の中に入って遭難したフランス人の捜索から一夜明けて朝から捜索に向かう国頭消防本部の隊員ら=7日、国頭村

 

【北部】ことし8月以降、北部地域で発生した遭難事故が6件で過去最多となった。国頭、大宜味、東のやんばる3村の一部が昨年9月に国立公園に指定されてから軽装やガイドなしで山に入る人が後を絶たないのが要因だ。3村は来夏の世界自然遺産登録を目指しており、登録後はさらなる観光客増が見込まれる。遭難者の捜索にあたる国頭地区行政事務組合消防本部は、入山する際の危険性を訴え、注意を呼び掛けている。

 

■過去最悪ペース

 

国頭消防本部によると、8月20日から10月14日までで6件の遭難事故が発生し、捜索活動が行われた。8月20日、国頭村奥間の大国林道で本島中部から水をくみに来た70代の男性が行方不明になった。家族と離れて山の中に山菜を採りに行ったところ、帰り道が分からなくなり、山を越えて反対側の国頭村安波で見つかった。米軍北部訓練場内をさまよっていたとみられる。

 

日をまたいで発見される場合もある。25日は本島南部から訪れた70代男性が国頭村奥の細道を散歩中、行方不明となった。夕暮れ時から捜索を始めたが見つからず、午前0時近くにいったん打ち切られた。翌朝午前8時から捜索を再開し、11時に発見された。右手に切り傷を負っていた。

 

10月6日には20代のフランス人男性2人が国頭村比地の山中で道に迷った。夜間の捜索は二次被害の危険があるため、午後11時半に打ち切られたが、翌朝に発見された。指揮本部から救助された場所まで救助隊が歩いて約1時間かかった。

 

国頭消防本部の辺土名朝英消防長は「今までこんなに発生したことはない。昨年はほぼなかった。過去最多だ」と指摘する。やんばるの森は広く深い。携帯電話の電波がつながらない場所もある。「いったん入ると自分たちでも迷う。夜になると暗闇で見えなく、崖も川もあり危険だ。ガイドなしの山登りはやめてほしい」と訴える。

 

■地元も対応苦慮

 

国頭村観光協会は、個人での入山を勧めない。協会の金城元樹さんは「道は整備されていないしアップダウンも激しい。行き止まりも多く地図を持っていても道は分かりづらい」と話す。「下調べもなくあやふやな知識で山に入ると事故につながる。事前に協会に連絡してくれれば、ガイドを手配できる」と呼び掛ける。奥では集落の住民も一緒になって地域総掛かりで捜索したケースもある。奥の糸満盛也区長は「夜は遅くまで朝は早くからで大変だった。山に慣れていない人は、絶対に道は分からない。入山記録をつけるなど、3村でルールを作っていかないといけない」と話した。(阪口彩子)

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