非公開が決まった、岡本光博さんの作品「落米のおそれあり」
【うるま】沖縄県うるま市の島しょ地域を舞台に18日に開幕する芸術展「2017イチハナリアートプロジェクト+3」を主催するうるま市観光物産協会(神村盛行理事長)は16日までに、京都市の美術家岡本光博さんの作品「落米のおそれあり」を公開しないことを決めた。運営事務局は「『うるま市の島しょ地域の活性化』というプロジェクトの趣旨に合わない」と説明している。
「落米のおそれあり」は伊計自治会の共同売店のシャッターに描かれた。道路標識の「落石注意」にかけてパラシュート、戦闘機や戦車、ヘリコプターを配置している。
岡本さんは当初予定していた別の作品を運営事務局と伊計自治会に提示していた。しかし、伊計自治会は「売店にそぐわない」として作品変更を求めた。その後、自治会に対し、事務局や岡本さんから説明がないまま作品が描かれた。伊計自治会の玉城正則会長は「観光で島を盛り上げようとしている中、地域活性化にそぐわない絵が集落の重要な場所に描かれてしまうと、観光客を遠ざけかねない」と批判した。
岡本さんは、米軍の訓練や事故が頻発する現状を描いた作品だと説明し、公開されないことに「残念の一言。米軍との関わりを(作品から)考えるきっかけになればと思った」と話している。
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