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売上金全てが子どもたちのために寄付される自動販売機を設置した泉川寛さん=10日、糸満市西崎の炭火焼鳥専門店「かん」

 

沖縄県糸満市西崎で炭火焼鳥専門店「かん」を営む泉川寛(ひろし)さん(61)は、店舗前の自動販売機の売上金全てを「子どもの貧困対策に役立ててほしい」と、糸満市社会福祉協議会に寄付をする取り組みを始めた。自販機は淡いピンクをベースにしたオリジナルのデザインを施した。学生の頃に生活保護を受けた経験がある泉川さんは「社会に恩返しがしたいと思っていた。糸満だけでなく県全体に同じような自販機が広がってほしい」と話す。

 

自販機を管理する沖縄ビバレッジによると、独自に塗装まで施して寄付をする個人は初めてという。

 

本部町出身の泉川さんは26年前に糸満市に移り住み、「かん」をオープン。新聞で子どもの貧困の記事を読み、市内の子どもの居場所や子ども食堂を訪れて現状を聞いて回った。何か支援できないか考え昨年6月、自販機の売り上げを寄付することを思い付いた。

 

デザインは妻の世津子さん(56)と考え、目立つように淡いピンクを基調に、四つ葉のクローバーなどを描いた。昨年12月30日に設置。塗装代約3万6千円は沖縄ビバレッジと折半し、売上金でカバーした。

 

自販機の電気代を引いた利益は、2017年は年間約6万7千円だった。「年間10万円を目標にしたい」と泉川さん。売上金は直接、糸満市社協に入金される。市社協は子どもの居場所の運営費などに充てる予定で「とてもありがたい」と感謝する。

(豊浜由紀子)

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