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相次ぐ米軍機トラブルに抗議する意見書を沖縄防衛局長に手渡す沖縄県議団(左側)=22日、同防衛局

 

在沖縄米海兵隊政務外交部長のダリン・クラーク大佐は22日、沖縄県議会が相次ぐ米軍機の事故などに対して抗議したのに対し、「事故の数は減っている」「車も故障する。未然にチェックするのは厳しい」などと述べた。大佐の発言は、県がまとめた県内の米軍機事故件数の推移や、在日米軍機のトラブルが倍増しているとする防衛省の見解とずれがある。不具合が墜落などの重大事故につながる航空機と、地上を走る車とを同列にも論じており、批判が高まるのは必至だ。

 

県議会の議員団が22日に北中城村のキャンプ瑞慶覧を訪れ、米軍機の不時着などに対する抗議決議と意見書を手渡した際に、クラーク大佐は一連の発言をした。さらに普天間第二小上空の米軍ヘリ飛行に対して、空撮地図上の航跡データを示し上空飛行を重ねて否定した。日本政府はカメラ映像などから、上空を飛行したと説明しており、依然として食い違いが続いている。県議団はその場で航跡データの提供を求めたが、大佐は応じなかった。

 

県議団の話を受け、中嶋浩一郎防衛局長は「監視要員がしっかり見ているし、カメラでも確認している。どう考えても上空だ。決してかすめているという問題ではない」と上空を飛んだとの見解を改めて示した。

 

仲宗根悟県議によると、航跡データは数秒ごとに発信される信号を基に点線で示されており、普天間第二小と普天間中の間を縫うように描かれていた。飛行した3機のどの機体のデータかなど、具体的な説明はなかったという。

 

議員団は22日、県議会で全会一致で可決した抗議決議と意見書を、日米両政府の関係機関に手渡した。

 

嘉手納町の沖縄防衛局の中嶋局長への抗議で県議団は「米軍の姿勢は開き直りだ。日米で認識が乖離(かいり)している」と指摘。県と日米両政府で構成する特別対策協議会の設置を求めた。中嶋局長は「ヘリ着陸場所は民家やホテルに近く(米軍の言う)安全な場所と言い切ることは難しい」と答えた。

 

那覇市の外務省沖縄事務所で対応した川田司沖縄担当大使は、米軍ヘリが小学校上空を飛行していることに「(学校の)ぎりぎりを飛ばなければいいではなく、近くを飛ばないことが重要だと私からも(米側に)言っている」と取り組みを強調した。

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