ダンスを披露する安次嶺ツルさん(左端)、平安名ヨシ子さん(左から3人目)、福嶺初江さん(同5人目)ら=7月21日、沖縄市民小劇場あしびなー

 

【沖縄】沖縄戦をダンスで伝えるシージャダンスプロジェクト「空に溶けゆく言葉のちから」の公演がこのほど、沖縄市民小劇場あしびなーで開かれた。沖縄市内に住む福嶺初江さん(83)、平安名ヨシ子さん(80)、安次嶺ツルさん(89)が「シージャダンサーズ」として舞台に立ち、平和への願いや沖縄戦の体験をダンスで表現した。

 

福嶺さん、平安名さん、安次嶺さんたちが舞台に立ったきっかけは、2013年に沖縄市で開催された「国際児童・青少年演劇フェスティバル(キジムナーフェスタ)」にさかのぼる。福嶺さんが同フェスタでのダンスプロジェクトに参加し、同フェスタに関わった沖縄ダンスネットワークのメンバーらが「おばぁたちとダンスをつくりたい」と発案した。

 

舞台では多良間村出身の福嶺さんの戦争体験をダンスで表現した。福嶺さんは母親と畑で作業中、米軍による機銃掃射を受けた。耳の聞こえない母親に、どうにか危険を伝えようとした当時の動作などを振り付けに取り入れた。

 

演出や振り付けを担当したダンスアーティストのマニシアさんによると、今回のプロジェクトに向け聞き取りをしていく中で、3人の戦争体験が語られたという。マニシアさんは「おばぁたちの苦しみがあったから、笑顔がある。命をつなぎ歴史を持った人たちの真実の声をダンスで表現したかった」と話した。

 

福嶺さんは終盤で舞台に置かれたユリを拾い上げる場面で、戦争当時を思い出し、涙を流したという。「耳が聞こえなかった母親に聞こえるよう『アンナー(多良間言葉でお母さんの意味)』と叫んだ」と目を潤ませながら話した。

 

公演のほか、米占領下での「コザ騒動」を体験した古堅宗光さんによる講話とダンスのワークショップもあった。古堅さんは「コザ暴動の最中、不思議と怖い気持ちはなかった。コザには違いを認める普遍的な価値があった」と話し、当時の様子を振り返った。

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