駐車禁止区域にも関わらず、路上駐車が横行している那覇空港の3階出入り口付近=7月30日、那覇市内

 

沖縄県の那覇空港内の駐車禁止区域で、レンタカーとみられる無人の車両が路肩を埋め尽くす光景が常態化している。特に航空各社の搭乗手続きカウンターがある施設3階の出入り口付近は、全面駐車禁止で標識も立てられているが、貸し出しや返却サービスのためのレンタカーが駐車され、渋滞を引き起こしている。こうした事態を受け、県レンタカー協会の野原朝貞会長は「一部業者の違反行為が空港周辺で深刻な渋滞の一因になっている」と話し、警察などの協力を得ながら抜本的解決に向けた取り組みの強化が必要だと訴える。

 

インターネット上では複数の業者が「沖縄での滞在時間を最大限に活用できる」などと触れ込み、「スピーディー出発」や「ダイレクト返却」の名称で、空港3階出入り口付近で配車手続きをしている。空港関係者によると4、5年前から違法駐車は横行していたが、今年に入り事態は悪化しているという。3階出入り口付近には、常に業者名が書かれたTシャツなどを着用したスタッフが観光客を待ち構えているという。

 

那覇空港を管轄する豊見城警察署には、毎日のように苦情が寄せられている。署の担当者は車両が無人で周辺にも人がいない場合は摘発するが、それ以外は注意しかできないとする。「悪質なレンタカー会社とのいたちごっこ状態」だという。違法駐車の横行に、空港内の慢性的な駐車場不足があるとし、「警察も那覇空港や関連機関と協議しながら対策を練りたい」と話した。

 

大阪府から観光で沖縄を訪れた20代の夫婦は、出発45分前に空港3階出入り口に到着した。返却を指定された場所に業者の姿はないが、電話で運転席に車の鍵などを置いておくよう指示された。ダイレクト返却を予約していたという夫婦は「少しの追加料金で無駄な時間が省けるならと思って利用した。違反行為だったとは」と話した。(当銘千絵)

 

◆業者急増、規制及ばず/県レンタカー協会 未加盟多く対応苦慮

 

好調な入域観光客数の増加に伴い、公共交通機関に限りがある県ではレンタカーの利用数も右肩上がりに伸びている。近年、県内外の企業や個人が次々と沖縄でレンタカー貸出事業に参入し、沖縄総合事務局の業務概況資料によると、2016年度の沖縄本島の事業者数は411社に上り、12年度の249社から1・65倍に膨れ上がっている。一方、県レンタカー協会に加盟している事業者は大手を中心にわずか20社程しかなく、協会側も統一ルールの共有や違反行為の是正に悪戦苦闘している。

 

レンタカー業の許可申請を管理する総合事務局陸運事務所によると、県内で登録されているレンタカーの半数以上が大手事業者の所有だが、他府県と比較して小規模の個人事業者が多いという。県外に本拠地を置く事業者も少なくない。

 

同協会の野原朝貞会長は、空港施設外や指定場所での車両受け渡しなど、協会加盟社については統一ルールが徹底できているとするが、非加盟の事業者に対しては「迷惑行為への注意喚起や、直面する課題の共有がなかなかできていない」と話す。

 

野原会長は「現行の無法状態は看過できない」とし、空港管理者や全国レンタカー協会、警察と連携して早期解決に努めたいとした。

 

豊見城警察署交通課の担当者は問題の根底に、レンタカー事業に関する詳細な規則や取り決めがないことを指摘する。

 

担当者は、今後もレンタカーの利用増加が見込めることから「観光客だけでなく空港を利用する全ての人に規則やマナーを守ってもらえるよう関係機関と連携して取り組まなければならない」と強調した。 (当銘千絵)

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