ドラァグクイーンの先導で進むパレード。参加者は虹色の小旗を振って歩いた=10月27日、台北市 画像を見る

 

台湾の台北市で10月27日、LGBTなど性的マイノリティーのパレードが行われ、主催者発表で約13万7千人が参加した。このパレードは16回目で、アジア最大級。沖縄など日本からも大勢が参加し、虹色の旗を手に「愛は平等」「同性婚を認めて」などと訴えた。熱気にあふれたパレードの様子を報告する。

 

台北中心部の台湾総統府前広場。午後2時をすぎると、周辺はきらびやかな衣装に身を包んだ人や、肉体美を主張するいでたちの人らで埋まった。年齢や性別、国籍もさまざまだ。

 

午後2時半、パレードが始まった。三つのコースに分かれ、思い思いに歩く。多様性を表す虹色の旗が、あちこちで翻る。大学生の手には「Love is Love(愛は愛だ)」「拒絶性別二分法」のプラカード。ストレートな表現で性の平等を訴える。

 

台湾の憲法裁判所に当たる司法院大法官会議は昨年5月、同性婚を認めない現在の民法を「違憲」と判断し、2年以内の法整備を求めた。合法化されればアジア初で、11月24日、同性婚の是非を問う国民投票が行われる予定だ。パレード会場では、主催者団体が賛成票を投じるよう参加者に訴えていた。

 

NPO法人「東京レインボープライド」もフロート(台車)を繰り出し、長年、LGBTらの社会運動をリードしてきた南定四郎さん(86)=うるま市=が先導した。明るい音楽に乗ってパレードは続く。沿道では買い物客も足を止め、集団に手を振った。どの顔もにこやかだ。

 

初めて参加した「ピンクドット沖縄」共同代表の荒井達也さん(46)=うるま市=は「街の歓迎ぶりがすごい。多様性が地域で受け入れられていると感じる」と興奮した様子。タイからゲイの友達と参加したアレンさん(27)も「パーティーみたい」と楽しんでいた。

 

パレードは2時間以上にわたって続いた。ゴール地点は、抱き合ったり、記念撮影したりする参加者であふれた。初めて参加したトランスジェンダーの仲村司さん(35)=本島中部=は「人、人、人ですごい活気だった。若い人が多く、台湾の将来は明るいと思った。当事者が声を上げて、存在を可視化することが大切だと、改めて感じた」と振り返った。

 

「愛は愛」。シンプルな言葉が、記者の心にも強く響いた。
(真崎裕史)

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