いまや全国規模で人気のファミリーマートのチキンですが、実は沖縄発祥だという話を聞きました。そうだとすると、すごいことですよね。ぜひ詳しく調べてください。
(那覇市 チキン大好きっ子さん)
えっ、ファミマのチキンが沖縄発祥!? あの全国的なヒット商品が県内で生まれたとは、レキオとして見逃せない話題です。
クリスマスが近づき、チキンがますます恋しくなる今日この頃でもありますし、今回も張り切って調査しちゃいますよ!!
県民の好みを反映
というわけで、調査員は那覇市港町の沖縄ファミリーマート本社へ。商品部次長の仲村渠忠さんが出迎えてくれました。「私がファミリーマートのチキンを商品化しました」と仲村渠さん。な、なんと! 開発者から直接お話を聞けるとは。
さっそくですが、ファミマのチキンが沖縄発祥というのは本当ですか?
「はい。2000年10月10日に沖縄で発売した骨付きの『フライドチキン』が先駆けです。全国の店舗では、まだどこもやっていませんでした」
おお、やはり。どういった経緯で開発されたのですか?
「沖縄ファミリーマートは、沖縄県内におけるファミリーマートのエリアフランチャイズ本部としてチェーン展開しています。1987年に設立され、当初は本土と同じ商品をそろえようと努力していたのですが、売り上げが伸び悩んだ時期がありました」
うーん、苦労して成長してきたのですね。
「それで、『本当に県民が日常的に欲しいものがそろっているか』を見直すようになり、2000年頃からポーク玉子おむすびやタコス巻など、沖縄ならではのオリジナル商品を店頭に並べるようになったんです。フライドチキンはその一環として発売されました」
なるほど、最初は沖縄県内向け商品として企画されたのですね。余談ですが、現在全国で浸透してきた塩おむすびも沖縄が先行していたそう。地域密着型の商品展開が、ヒット誕生につながっているのですね。
「沖縄では、お祝いの時にチキンを食べるなど、人気の食材ですよね。でも、気軽に買える場所がなかった。県民食としてもっと普通に食べてほしい、という思いからコンビニで扱おうと思ったんです。学生でも学校帰りや部活帰りに気軽に買えるよう、当時の価格はワンコインにこだわりました」
味も、県民の好みを反映。
「沖縄の人がおいしいと感じる味を考えて、ジューシーで香辛料をきかせた味わいにしました」と仲村渠さんは話します。
骨付きにもこだわり
発売当初は宣伝も打たなかったそうですが、口コミでじわじわと売り上げが拡大。やがて東京のファミリーマート本社から「なぜこんなに売れているんだ」と注目されるほどのヒット商品となり、2001年には全国発売されるに至ったのだそう。
その後、全国で骨なしチキンが開発されました。現在、商品名としての「ファミチキ」は、骨なしチキン、「フライドチキン(愛称フラチキ)」は骨付きチキンのことを指します。「骨なし、骨付きそれぞれのおいしさがありますが、沖縄では骨付きチキンの人気が根強いですね」と仲村渠さんは骨付きチキンへのこだわりを語ります。
沖縄ファミリーマートでは、17年10月にフライドチキンをアピールする公式キャラクター「フラチキ先輩」を発表。「ファミチキ先輩」のさらに先輩にあたるという設定ですが、その裏には、もともとは骨付きチキンから商品化が始まったという経緯があるからなのだとか。
チキンを好む県民性が生み出したといえるフラチキ。また一つ、沖縄の誇りが増えたなぁ~と満足しながら(ついでにお腹もチキンで満たしながら)帰路についた調査員でした。
「ファミチキ先輩」の先輩格にあたる沖縄ファミリーマートのキャラクター「フラチキ先輩」。動画再生サイト・ユーチューブでは、大物民謡歌手・護得久栄昇さんによるフラチキ応援ソング「フラチキぶんしゅか」も視聴できます(「フラチキぶんしゅか」で検索)。沖縄県内のイベントに登場し、チキン引換券を配ることもあり
https://youtu.be/wKlbci-LFvQ