バタークリームを挟んだマーブル模様の生地の上に、たっぷりのチョコレートをコーティングしたマーブルケーキ(写真・村山望)

今も昔も変わらぬ味を トーエ洋菓子店

 

マーブルケーキでおなじみ、那覇市与儀のトーエ洋菓子店は1969年創業、今年で50年になる。現在、二代目店主の東江裕貴さんを始め、東江さんの父と伯母、姉、いとこと5人で切り盛りする。昔ながらの味を大切に、日々ケーキ作りに励む店主の東江さんにマーブルケーキへの思いや、こだわり、これからを聞いた。​

 

たっぷりコーティングされたチョコレート、バタークリームのコク、マーブル模様のほろほろとした生地―。

 

トーエ洋菓子店の一番人気はなんといってもマーブルケーキ。トゥシビー(生年祝い)や成人祝い、出産祝いなどお祝いごとに利用する客が多いという。特に3月、4月は、合格や入学祝いのお返しなどに購入する人が多く、この時期はマーブルケーキだけしか作れないほどの人気ぶり。朝から晩までフル操業でも間に合わないほどだという。

 

チョコレートにこだわり

 

同店は東江さんの伯父・武司さんが1969年に創業。マーブルケーキは、武司さんが以前働いていたベーカリーにもあったケーキを改良したものだ。一番こだわったのがチョコレート。さまざまな人に3種類ほど試食してもらい、アンケートをとって一番評判がよかったものを採用した。

 

東江さんは、武司さんから店を引き継いで7年、創業当時からレシピは一切変えていない。チョコレートも変わらず、昔ながらの味を大切に守り続けている。

 

チョコレートが変わると、ケーキそのものの味が変わってしまう。それだけはゆずれないといい、チョコレートのメーカーから規格の変更を伝えられても、これまでと同じものを作ってほしいとお願いした。

 

昔ながらの甘いケーキにもこだわる。近ごろは甘さ控えめを好む人も増え、「甘くないケーキはどれか?」と聞かれると、東江さんは「うちのケーキは全部甘くておいしいですよ、と答える」と言って笑う。

 

生クリームは一切使わずバタークリームのみ。

 

「県外でもあちこちでバタークリームのケーキを食べましたが、伯父さんが作るバタークリームにかなうものはない」と話す。

 

子どものころは学校から帰ると店に来てケーキをもらい、食べてから遊びに行った。朝はパン代わりにケーキ。よっぽど甘いものが好きなのかと思いきや、「本当はしょっぱいのが好き。でも伯父さんのケーキだけはよく食べていた」という。

 

マーブルケーキへの思い

 

スフレタイプのチーズケーキも人気商品の一つ。その他、バタークリームをコーティングしてバニラクッキーをまぶしたマスコットケーキ、アーモンドとココナツを甘く煮詰めて生地に載せたジャーマンケーキなど定番商品が店頭に並ぶ。

 

これまで定番商品だけで手いっぱいだったが、昨年は新商品の販売も始めた。

 

「青森から取り寄せたりんごを毎日煮詰め、手織りの生地で作っています。サクサクしたアップルパイですよ」とうれしそうだ。

 

一方で、マーブルケーキへの思いは深い。

 

「やはりマーブルケーキは一番大事な商品。うちはこれでもっているようなものなので、より丁寧に作るよう心掛けています。お客さんが『昔と変わらずおいしいね』と言ってくれるように、『二代目になったから味が変わった』と言われないように、この味を守り続けていきたい」。

 

優しい口調の中にも、東江さんの強い思いを感じた。

 

* * *

 

取材を終え、久しぶりにトーエのマーブルケーキを口にした。相変わらず甘くておいしいケーキだった。

 

(﨑山裕子)

 

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トーエ洋菓子店
那覇市与儀1-8-13
098-854-4707

(2019年1月3日付 週刊レキオ掲載)

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