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沖縄県教育委員会は2023年3月実施の県立高校入試から、現行の推薦入試を大幅に改変した新制度を導入する予定であることが7日までに分かった。新制度案では、これまでの推薦入学制度に代わる「特色選抜制度」を新たに設け、すべての受験生に学力検査を課す。一般選抜は従来通り。出願時期も一般、特色選抜ともに2月に一括され、出願できる高校も1校に絞られる。1985年に県で推薦入試が導入されて以来の大幅な改革となる。

 

現行の推薦入学は中学校長による推薦のほか、実技や付加問題など志望校の独自検査を受けて1月に合否内定が決まる。しかし「特色選抜制度」は校長の推薦が不要で、廃止される推薦入学と同様の独自検査を引き継ぎながらも、学力検査を課すことが特徴だ。

 

県教委は「学校長による推薦の必要がなくなる代わりに、各高校の設定した条件を満たせば誰でも特色選抜での出願が可能となるメリットもある」としている。

 

新制度はキャリア教育を一貫し、生徒に将来の目的を明確に持ってもらうことを前提としているという。全員に学力検査を課す意義について、県教委幹部は「生徒の特色を生かす入試制度を保ちながらも、キャリア形成に不可欠な最低限の学力を確保するためだ」と語った。

 

一般と特色の両選抜で出願時期が一括になり、出願できる高校も1校になるため、生徒は志望校をこれまで以上に熟考しなければならない。これに伴い、高校側にも「求める生徒像」や教育内容の明確化が求められる。入学定員についても、従来の推薦入学制度では普通科で最大20%まで認められていた定員枠が、特色選抜では0から20%の範囲で可能となることから、学校によっては普通科で特色選抜による定員枠を設けないことも可能になる。

 

県教委では今後、志望校選びのため、こうした各高校の情報をまとめた冊子を生徒に配布する予定だという。県教委では9月6日まで、ホームページでパブリックコメントを募集している。
(下地陽南乃)

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