入島料支払いへの協力を呼び掛ける西大舛高旬竹富町長(前列右から2人目)、上勢頭篤竹富島地域自然資産財団理事長(同3人目)、内盛正聖竹富公民館長(同左端)ら=21日、竹富町役場 画像を見る

 

【竹富島=竹富】年間約50万人の観光客が訪れる沖縄県竹富町竹富島で、1人300円の入島料が9月1日から導入される。主に観光客が対象で、支払いは任意。支払われた入島料は主に島の景観や自然を維持・保全する活動に使われるほか、一部は外部資本に買い占められた土地の買い戻し運動(トラスト活動)にも充てられる。

 

竹富町によると今回の入島料導入は、地域自然資産法に基づく全国初のケース。県内自治体では法定外目的税として伊是名村や伊平屋村、渡嘉敷村、座間味村が住民も対象とした制度を導入しているが、同法に基づくことで島民らを支払い対象外とした。

 

入島料は石垣島の石垣港離島ターミナルと竹富島の竹富港ターミナルに設置される券売機で支払う。活動主体となる竹富島地域自然資産財団は、当面の収受率の目標を40%に設定する。観光事業所などでは入島料支払者への特典提供を検討する動きもあるという。

 

トラスト活動については、島の無秩序な開発を防ぐために行われ、主な資金は全国から募る寄付金で賄う。必要に応じて入島料の3分の1以内がトラスト活動に充当される仕組みだ。

 

21日に町役場で開かれた会見で、財団の上勢頭篤理事長は「支払った入島料が島の自然や環境につながっていると実感してもらえるように頑張りたい」と語った。西大舛高旬町長は「竹富島の動きを見ながら、将来的には町内の他の島にも広げていければ」と述べた。

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