コンビニがない時代から24時間営業続ける沖縄市の人気ストアー 常連たちに愛される手作り弁当とアットホームな店内
(右から)店主の松竹笑美子さん、従業員の小玉安子さん、石垣茜さん、笑美子さんの夫・松竹勇三さん 写真・村山 望

 

創業61年、24時間営業の老舗

 

沖縄市の国道330号とグラウンド通りが交わる場所に、長年多くの人に愛されている「一丁目ストアー」がある。ここには地域の人はもちろん、近隣の専門学校に通う学生や働く人などさまざまな人の胃袋を満たしてくれる弁当や総菜が並ぶ。同店は前身の「崎原商店」から数えて61年の老舗で、創業以来24時間営業を続けている。2代目店主の松竹笑美子さん(66)と夫の勇三さん(74)に話を聞いた。

 

一丁目ストアーの前身、崎原商店は、松竹笑美子さんの父・崎原重信さんが創業。子どものころから父の店を手伝っていた笑美子さんは、「遊びに行きたくても行けませんでした。あのころは、いまより忙しかったです」と振り返る。

 

当時は大型スーパーやコンビニエンスストアもない時代。崎原商店は年中無休の24時間営業だった。

 

「父は40年ほど店をやっていましたが、年を取ると夜働くのは大変でしょう。それで、ずっと店の手伝いをしていた私が引き継ぐことになったんです」

 

それを機に移転した場所が、沖縄市諸見里一丁目だったことから店名を一丁目ストアーに変更。2年ほど前にはグラウンド通りを挟んだ隣に店舗を新築し、所在地は一丁目ではなくなったが店名はそのままだ。

 

試行錯誤を重ね

 

店を継いだ笑美子さんは弁当中心の店にリニューアルし、慣れない弁当作りに挑戦した。

 

「物を仕入れて売るだけだったら簡単だけど、大型スーパーのように値段は下げられない。弁当を作るのは難儀でも、お客さんに来てもらうためには頑張らないと」との思いから、試行錯誤を重ねた。

 

例えば、ご飯の中にタコスのミンチとチーズが入った同店人気のライスボールは、金武町や石川市(現うるま市)にあるタコスの店を回り、味を追求した。

 

店頭にはタコライスやマーボー丼、軟骨煮込み、ご飯の上にトンカツやショウガ焼き、マーボー豆腐など数種のおかずを載せた2色弁当や3色弁当、100円そばに200円そばも並ぶ。創業以来変わらないサンドイッチやホットドッグなどの軽食は長年通う客にはうれしいはず。

 

盆や正月など休みはあるが、同店は崎原商店時代から変わらず24時間営業だ。「朝は大工さん、昼は近くの専門学校に通う学生、夜中は若者がよく来ます」というように客層は時間帯によってさまざま。従業員らと三交代制で切り盛りする笑美子さんは夜中の2時、3時から朝9時ごろまで働く。

 

そんな笑美子さんを夫の勇三さんは会社員だったころから支え、定年後も仕入れや店頭に立つなど弁当作り以外はなんでもする。勇三さんは「人とのコミュニケーションが楽しい。若いお客さんと話をするのは若返りの秘訣です」と笑う。

 

家族のような従業員

 

笑美子さんが長年働いてきてうれしいことは、かつて店によく来ていた子どもが大人になっても来てくれることだ。

 

「県外へ就職した子が帰省したときに『おばさん、帰ってきたよ』と言ってくれるので、本当にかわいいです。結婚して子どもを連れて来る子もいて、『やなわらばーだったのに、あんた、お父さんになったの!?』なんて言ったりして。懐かしいですね」と楽しそうに話す。さらに「従業員はみんないい子。最近、膝が痛いんだけど、みんなに助けられています」と感謝の気持ちを口にした。

 

勇三さんも「33年働いている従業員もいます。みんな家族みたいで、親子に間違われることもありますよ」と笑顔で話した。

 

これからも従業員と共に仲良く、おいしい弁当を作り続けてほしい。
(崎山裕子)
(2019年9月12日付 週刊レキオ掲載)

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