「二つ目の夢」だったという高校卒業を果たしたプロボクサーの仲里健太さん=15日、本部町備瀬の八洲学園大学国際高校 画像を見る

 

【本部】「まさか卒業できるとは思っていなかった」。15日、本部町備瀬の広域通信制・八洲(やしま)学園大学国際高校で開かれた前期卒業式で仲里健太さん(23)は卒業証書を手に少し照れながら喜んだ。仲里さんは少年院に2度、送致された。出院後、ボクシングに打ち込み同学園在学中の17年12月にライセンスを取得した。高校卒業は「二つ目の夢」だった。「支えてくれた人の思いにも応えたかった。次の夢はチャンピオン」と力強く語った。

 

仲里さんは祖父母に育てられた。小中学時には野球に熱中。自転車で十数キロ離れた練習場に通った。だが試合に出られず自暴自棄になり、恐喝や暴行、暴走行為に走った。15歳と18歳の時に2度、少年院に入った。

 

2度目の少年院送致が決まった時に「変わるのは自分。やり直す」と誓った。少年院時代の恩師に勧められ高校卒業を目指して八洲学園に入学した。

 

同園の平安山智子教諭は仲里さんと初めて学園内で会った時のことを鮮明に覚えている。「高齢の人と楽しそうに話していた。漢字の成り立ちだとか、ことわざとか。難しいことをよく知ってると驚いた」と振り返る。「少年院にいた頃に辞書とか広辞苑ばっかり読んでいたから。もともと知らないこと、分からないことを調べるのが好きだから」と笑う。

 

ボクシングのプロライセンスと高校卒業。周囲に支えられ二つの“ベルト”を勝ち取った。次の夢、チャンピオンベルト獲得に向けて「次は自分が恩返しする番だ」と意気込んだ。

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