18日に入荷した紙マスクが並ぶすこやか薬局新川店=18日、南風原町新川 画像を見る

 

新型コロナウイルス感染症の影響で品薄だった、使い捨ての不織布マスクの沖縄県内での流通量が増加している。主要な製造地である中国をはじめ多くのメーカーが生産を増やしており、高騰していた値段に低下傾向が見られる。供給量に回復の動きが見られる一方で、品質のばらつきに対する指摘もある。

 

すこやか薬局グループは18日、1家族3個までとしていた購入個数制限を解除した。担当者は「まだ不安定だが供給量は徐々に増えている。店舗によって在庫に差はあるが、今週中には全て行き渡るだろう」と話した。

 

感染前に1枚10円程度で売られていたマスクは品切れが続き、県内の一部の小売店では4月のピーク時に1枚当たり100円に迫る価格で販売される事例もあった。現在の販売価格は、種類や性能によって異なるが1枚当たり40~80円程度が多いという。

 

マスクの生産は世界の半数を中国が占めていたといわれる。他国に先んじて経済活動を再開させた中国でマスクの生産が加速し、それでまで滞っていた国際貨物の輸送が改善されたこともあって、5月に入り中国製マスクの供給が一気に増えたとみられる。

 

一方で、中国では専門外の工場がマスク生産に参入する事例も多いといい、品質のばらつきが報告されている。卸業者は「安定した品質を求める取引先は、価格が高くても従来のメーカーのマスクを欲しがっている」と話す。

 

県内企業の中国貿易をサポートする琉球経済戦略研究会(那覇市)の方徳輝理事長は「一時期、中国でたくさん工場ができたことで品質の悪いマスクもあった。今はしっかりした工場にしか注文がいかないようになり、粗悪品は淘汰(とうた)されつつある」と話した。

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