全国から購入申し込みが相次いでいる小ぶりの「チビ車海老」(久米島漁業協同組合のフェイスブックより) 画像を見る

 

【久米島】久米島町特産のクルマエビが新型コロナウイルスの影響によって競りの出荷価格が低下したことを受け、久米島漁協は打開策として5月13日から小ぶりのクルマエビを「チビ車海老(くるまえび)」として格安の値段で出荷している。沖縄県外客を中心に、全国各地で反響を呼び、5トンあったクルマエビは、2週間ほどで、1・5トンが売れた。

 

日本一の生産量を誇る久米島のクルマエビは、うまみと甘みが強く、全国的に人気が高い。今年はコロナウイルスの影響で飲食店の営業自粛が全国規模で相次ぎ、出荷量が激減。競りの価格も昨年と比べて半分にまで下がった。

 

久米島漁協の田村圭介さん(39)は「想像以上の低価格なので、普段出荷する大きさに育てても、餌代などの経費がかさみ、赤字となってしまう」と話し、まだ成長していない小さめの状態で販売することを決めた。

 

販売価格の下落でピンチを迎えている実情をSNSで訴え「チビ車海老」として販売した。「意外にも反響が大きく、連日300件ほどの注文がある」と驚く。漁協のホームページのアクセスが増え、一時サーバーがダウンするほどだったという。田村さんは「お客さんからは小さくても甘みがあり、食べやすいとの評価を受けている」と太鼓判を押す。

 

漁協のフェイスブックにはエビチリやココナツカレーなど、チビ車海老を利用した料理がアップされている。田村さんは「購入しているお客さんは8割が県外の方だ。沖縄の方にもぜひチビ車海老を味わってほしい」と期待した。
(金城実倫)

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