沖縄の雰囲気を楽しむ客でにぎわう銀座わしたショップ=13日、東京都中央区銀座 画像を見る

 

8月に入ってから銀座わしたショップ本店をはじめ県外わしたショップの売り上げが増加している。新型コロナウイルスの感染拡大以降、外出自粛もあり県外店舗の売り上げは前年割れが続いていたが、わしたショップを運営する県物産公社によると、8月に入り銀座店の売上高は前年同月比15%増加した。埼玉、札幌なども好調だという。

 

県内での感染再拡大や、東京都が県境を越えた移動の自粛を求めていることもあり、沖縄旅行を控える人が増えている。沖縄に行けなくても沖縄気分を味わいたいという需要が増加し、わしたショップに客足が戻っていると見られる。

 

銀座わしたショップ本店の前田展野(ひろの)店長は「テーマパークのような感じで雰囲気を味わいに来る人も多い。なかなか旅行で沖縄に行けないからか、いつもより多く買っていって1人当たりの購入単価は高め」と話す。

 

売れ筋は沖縄そばや海ブドウ、ジーマーミ豆腐など。一番人気の沖縄そばは前年同時期の1・5倍ほどの売れ行きだという。

 

娘の音彩(のあ)さん=小5、妻の亜衣さんと家族3人で銀座店に来店した堤直也さん=東京都=は、店内のイートインコーナーでブルーシールアイスを堪能した。「夏休みだが今はどこにも行けないので、子どもの自由研究で各都道府県のアンテナショップを回っている。今は沖縄の人のためにも行けない。また旅行できるようになったらぜひ行きたい」と話し、モズクを購入していった。

 

埼玉県在住の会社員勝又慶子さん(43)は「在宅勤務が5カ月続いて、どこにも行けていない。熱中症予防の塩黒糖に、モズクとヨモギを買って沖縄そばと一緒に食べたい。少しでも沖縄に行った気分になる」と笑顔で話した。

 

県物産公社の比嘉徹店舗事業部長は「県外が好調と言っても県内店舗は観光客が減少しているため、相当厳しい。その売り上げ減をカバーするまでには至っていない」と複雑な表情だが、「沖縄気分を味わいたい人のため、ニーズに合った品ぞろえを強化していきたい」と語った。

 

(玉城江梨子、滝本匠)

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