「Chocolate Jesus」を運営するWaffleの新里和史社長(右)と城間高大マネージャー=北谷町美浜のChocolate Jesus 画像を見る

 

沖縄県北谷町美浜のアパレルセレクトショップ「Chocolate Jesus(チョコレートジーザス)」。選び抜かれた国内外のストリートブランドが並ぶ店内を、心地よいヒップホップミュージックが彩る。サンエー浦添西海岸パルコシティにもテナントを設け、県内2店舗を構える同店は、連日県内外の若者が足を運ぶ人気店だ。地方ショップとしては珍しく、複数の海外ブランドの国内唯一の正規代理店としても活躍する。コロナ禍の6月には北谷町にあった3店舗を統合し、新店舗をオープンした。

 

新型コロナウイルスの影響で、店舗休業や外出自粛による売り上げ減など、アパレル業界は厳しい状況にある。アパレルショップの枠にとらわれず、さまざまなイベントや企画を打ち出し、「外とのつながり」を意識してきたChocolate Jesusにとっても、新型コロナの影響は人ごとではない。コロナ禍の6月にオープンした新店舗は、想像とは違うスタートを切った。その中でも地元企業とのコラボなど、できる範囲で次々と企画を打ち出す。コロナ禍で計画したオリジナルブランドの海外展開やECサイトのグローバル化なども控え、スピード感ある商品展開でファンを楽しませる。同店を運営するWaffle(ワッフル、北谷町)の新里和史社長(40)に話を聞いた。(聞き手・石井恵理菜)

 

 ■「RIPNDIP」国内唯一の代理店

 

Q:新型コロナウイルスの影響は。

 

A:「Chocolate Jesus PARCO CITY店」や、Waffle社が運営する東京の「RIPNDIP TOKYO」は、コロナの影響で一時休業する時期もありました。私たちは複数のブランドの正規代理店として卸売りも担っているので、コロナ禍は在庫があふれかえりました。ただ県内店舗の在庫は足りないくらいで、地元のお客さんに支えられました。

 

取扱ブランドの一つ「RIPNDIP」の東京原宿にある日本直営店「RIPNDIP TOKYO」は、感染防止対策を取りながら換気のいい貸倉庫でセールイベントを行い、在庫調整を行いました。予約制で、1時間の限定組数を決めて、感染があった場合に追跡できるように、連絡先も書いてもらいました。来店したお客さんから「こうやって(対策を取って)イベントを開いてくれてありがとう。久しぶりに楽しく買い物ができました」と言葉がありました。沖縄でも感染対策をしっかりとすれば、何かしらの企画ができる思い、現在計画を進めています。

 

実店舗の売り上げ減少は補えませんでしたが、強化してきたECサイトでの売上は、コロナ禍で2.5倍になりました。コロナの影響で、海外ブランドとの企画などは制限が生じています。ですが県内企業とのコラボや県外のアーティストと連絡を取り合って、なんとか企画を続けています。アーティストさんがデザイン料金を安くしてくれるなど、アーティストさんに助けられている部分もあります。今期目標にしていた売上金額は達成できませんが、今は企画がなくなった分の時間で次の目標に向かって動いています。

 

 ■北谷に新店舗、スピード展開

 

Q:コロナ禍に新店舗をオープンした。

 

A:6月27日に、北谷町にあった3店舗を統合し新店舗をオープンしました。広さ330平方メートルで、アパレルショップとして表現の幅も広がり、ポップアップやイベント企画もやりやすくなりました。1階にアパレルショップ、2階にコーヒーショップを設けています。今後は地下にスケートショップも開く予定です。イベントの場や、お客さん同士のコミュニティーの場にもなればと思い、広い店内にしました。ただ、オープンのタイミングで用意していたイベントや企画はコロナの影響で全て無期限延期になりました。想像とはかなり違ったスタートを切ることになりました。人が多く集まるイベントはできませんが、店とのコラボや企画はできる範囲で行っています。

 

Q:コロナ禍でも商品展開が早いと感じた。

 

A:新店舗をオープンしてからオリジナル商品の強化を意識していたのもありますが、コロナで窮屈な時期が続きそうだったため、イベントができない分、商品開発のスピードでお客さんに楽しんでもらえたらという気持ちはありました。

 

9月19日には、エイアンドダブリュ沖縄とコラボしたTシャツを販売しました。ローカルのお客さんを意識し、地元の人が喜ぶ企画はないかと考えました。オープンを記念して、19日から、A&W カーニバルパーク美浜店でポップアップを開催しました。4日間の予定でしたが、好評で1日で売り切れました。

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